なぜフリードに勝てない? 「便利屋」シエンタへ元営業マンの注文と新型の期待

フリードに勝つぞ!! 元営業マンからみた「トヨタシエンタ」の存在と新型への期待値

 2003年に初代モデルが登場したシエンタ。初代モデル途中で、一度休止期間が入り復活した、トヨタ車では珍しい経歴のクルマである。現行型は2代目で、2015年に登場し、約7年が経過。そろそろ、フルモデルチェンジがささやかれる時期となった。

 コンパクトボディに3列シート、そしてスライドドアを備え、多目的に使えるシエンタは、トヨタ販売店にとって、どのような存在なのだろうか。また、登場が待ち遠しい新型シエンタに期待することを考えていく。

文/佐々木亘、写真/TOYOTA、HONDA、ベストカー編集部

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コンパクト! ワゴン! ミニバン! 様々な売り方が出来るシエンタの姿

「小粋でユースフルな7人乗り」をテーマに開発された初代シエンタ。2010年8月に生産中止となったが、2011年5月に異例の復活(写真は2013年一部改良モデル)

 ホンダのモビリオを後追いする形で生まれたシエンタ。初代モデルのボディサイズは全長4100mm×全幅1695mm×全高1670mmと、非常にコンパクトだった。全長4100mmのなかに、2×3×2の7人が乗車するスペースを作り出す、多人数乗車のクルマとしては希少な存在だ。

 現行型アクアの全長が4050mm、カローラースポーツが4375mmだから、シエンタの全長がどれだけ短いものだったかがわかると思う。少々大きくなった現行型でも、シエンタは全長4260mm、全幅は5ナンバーサイズギリギリに収めているのだ。このスタイルは、小さなクルマ造りの、優等生といえるだろう。

 運転のしやすいコンパクトカーでありながら、充分な積載量を持つワゴンにもなる。さらに多人数での移動をするミニバンになるなど、シエンタに与えられる役割は多い。多様化するユーザーニーズを一手に引き受け、幅広く勧めることができるシエンタは、トヨタ販売店にとって、役立つユーティリティプレーヤーなのだ。

7にこだわり、7を追う

 シエンタという名前は、スペイン語で数字の7を表す「Siete(シエテ)」と、英語で楽しませるという意味をもつ「Entertain」の組み合わせから生まれている。故に、シエンタの7に対する意識は強い。

 初代モデルは一貫して7人乗りを守り続けた。現行モデルでもFAN BASEという5人乗りグレードは別枠で設け、標準モデルでは7人乗りだけを展開するこだわりようだ。ライバルであるホンダのフリードは、5・6・7名乗車の3パターンで支持を広げるなか、シエンタは「7人」にこだわり続けた。

 正直、5人までの乗車であれば、ルーミーを選べばいいし、2列目にキャプテンシートが欲しいならノア・ヴォクシーだってありだろう。トヨタラインナップのなかでは、シエンタが乗車人数のパターンを広げる必要はなく、足りない部分は仲間が補ってくれているというわけだ。

 シエンタが7にこだわるからこそ売れることを、販売現場も知っている。シエンタだからこそ刺さる家族構成や年代があり、そこに対してトヨタディーラーもこだわりを持って売っているのだ。

 2022年の乗用車ブランド通称名別順位では、10位にフリード(6万9577台)、13位にシエンタ(5万7802台)と、フリードに後れを取ったようにも見えるシエンタがだが、ルーミーやノア・ヴォクシーが補完的役割を果たしていることを考えると、約4000台という差は、あってないようなものにも思う。

 ユーティリティプレーヤーではあるが、ここぞというときに売っていきたい、奥の手の側面ももつシエンタ。こだわりのあるクルマは、販売店からも大切にされ、長く愛されるクルマになる。

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