内閣府の発表によると、平成30年中の交通事故発生件数は、43万601件で、これによる死者数は3532人。前年比で、交通事故件数は4万1564件、死者数も162人減少したという。これで、交通事故件数は14年連続で減少となり、死者数も減少傾向となっている。
しかし、状態別交通事故死者数をみると、過去10年間、クルマ乗車中や自転車乗車中の減少率に比べると、歩行中と自動二輪乗車中の減少率はゆるやか。つまり交通全体の死亡事故件数の減少傾向ほどは、歩行中の交通死亡事故は減っていない。
警視庁によると、歩行中の交通死亡事故の原因(2021年)調査を見ると、相手当事者側(クルマ側)の違反(安全不確認、歩行者妨害等)があったものが約88.9%。運転免許を持つはずのクルマ側に違反があるのは言語道断だが、その一方で、歩行者側に何らかの違反(信号無視、横断違反等)があったものが約65.1%だったことも見逃せない問題。交通死亡事故の約3回中2回は歩行者側にも違反がある。交通事故を減らすために、ぜひとも歩行者にもご注意をお願いしたい。
ということで、交通事故を減らすために歩行者に知っておいてほしいことを考えようと思う。
文:吉川賢一
アイキャッチ写真:Adobe Stock_yamasan
写真:Adobe Stock、写真AC
資料:公益財団法人 交通事故総合分析センター
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