知らない間ジワジワと普及が進み、ハッと気づけば世の中のすう勢になっている……、そんな事態がトラックの分野で出来(しゅったい)している。メーカー完成車である。
トラックメーカー/ディーラーがシャシーと上物(架装物)をコンプリートで製造・販売するメーカー完成車は、すでに30年ほど前から小型トラックの平ボディやドライバンやダンプなど、ある程度仕様が集約でき、台数が見込める分野で普及し定着している。
だが、今日隆盛を極めているメーカー完成車は、それとはちょっと異なり、ひと昔前までは、「つくりボディ」が当たり前だった大型トラックのカーゴ系のメーカー完成車で、なかでもドライウイングがその中心だ。
日野自動車の不正発覚による型式取り消しや半導体不足などで、このところトラックの架装も停滞気味なのだが、メーカー完成車とはいかなるものか、今日のトラックの成り立ちを知る上でなかなか興味深いのだ。
文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
*2016年6月発行「フルロード」第21号より
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