【N-BOX VS タントら4番勝負!!】 人気車とイマイチ車の違いはどこ?

【SUV取組】 トヨタ ハリアー 対 日産 エクストレイル

(TEXT/片岡英明)

TOYOTAハリアー(2017年1〜10月累計販売台数:5万20台・ハイブリッド含む)

NISSANエクストレイル(2017年1〜10月累計販売台数:4万8162台・ハイブリッド含む)

2017年ハリアーは2Lターボを追加し、エクストレイルはマイナーチェンジ(MC)を受けて、両車同時に魅力に磨きをかけた。トヨタと日産の看板を背負ったSUVがまさに“がっぷり四つ”……なのだが、現状ではハリアーが販売面で頭ひとつ出ている。この差は!?

プレミアムSUVの元祖ともいえるハリアーは、現行モデルで3代目。2013年11月のデビューだが、多彩なラインアップがある。ガソリンの2Lモデルのほか、4WDと組み合わせた2.5Lエンジン+ハイブリッド車を設定。

200万円台で手に入るリーズナブルなグレードから500万円に迫る高級SUVまで品揃えは豊富だ。6月にMCを行い、さらに仲間を増やし、魅力を増した。

最大のニュースは2Lモデルに直噴ターボが追加されたことだ。また、フェイスリフトを行い、リアコンビランプにLEDランプを組み込んだほか、内側から外側に流れるシーケンシャルターンランプも採用している。

それだけではない。待望の衝突回避支援の安全装備、トヨタセーフティセンスPも全車に標準装備としている。

新設定のターボ車は、3.5Lクラスの分厚いトルクを発生するのが魅力だ。6速ATだから応答レスポンスは鋭いし、加速も支えている。

ハンドリングも軽快。ターボ車はパフォーマンスダンパーを装備し、スポーツモードを追加。インテリアの質感も高い。これがエクストレイルより車格を上に見せることに成功している。

いっぽう、エクストレイルも同じ時期にMCを実施した。フェイスリフトを行って見栄えをよくするとともに、同一車線自動運転技術のプロパイロットを採用している。また、足で開閉操作できるバックドアなど使い勝手のアイデアも増え、満足度は高い。

さらに走りの実力も高い。特に4WDモデルは非凡な走破性能を秘め、痛快な走りを楽しめる。ハイブリッド車は加速も軽快だ。

だが、MCで走りの実力を高めることはしなかった。デザインも洗練されたが、タフなイメージやSUVらしいラギッド感を好む初代と2代目のオーナーは物足りなく感じている。これらの部分がライバル、ハリアーに今一歩及ばない要因だろう。弾け切れていない感じがする。

■まとめ…軍配はハリアーに! その勝因は?

先代までのエクストレイルは主張が強かったが現行車はやや存在感が薄い。2Lターボを追加し先進安全技術も標準装備……というハリアーには及ばず。

【軽スーパーハイトワゴン取組】ホンダ N-BOX 対 ダイハツ タント

(TEXT/国沢光宏)

HONDA N-BOX(2017年1〜10月累計販売台数:17万9028台)

DAIHATSUタント(2017年1〜10月累計販売台数:12万3356台)

本企画結びの一番は軽スーパーハイトワゴン対決。ニューモデルに切り替わったN-BOXがタントを圧倒か!?

本来このカテゴリーは圧倒的にタントが強かった。けれど新参のN-BOXに最初から抜かれ、そしてさまざまな手段で勝負を仕かけるもまったく歯が立たず、新型が出たら背中すら見えなくなるほど引き離されてしまう。なんでこうなったのか。

こらもう簡単。ダイハツに「夢」や「やさしさ」がないからである。ダイハツ、上手に宣伝することに重点を置くだけでクルマは売れると思っているようだ。軽自動車のユーザーを見切ってる??

そもそもユーザーにとって最大の「思いやり」というのは、事故を起こしにくいクルマを作り、そして万一事故に遭ってしまった時も、ケガしないようなクルマにすることだと考える。

例えばサイド&カーテンエアバッグ。来年から衝突基準が厳しくなり「側面ポール衝突モード」(横滑りして電信柱にブツかったような状況。非常に厳しい)を導入するけれど、サイド&カーテンエアバッグなしだと、26km/hで当たって死ぬ可能性大。

ホンダの場合、軽自動車ユーザーも普通車ユーザーも安全の価値は同じと考えているため、N-BOX全グレードに4万3000円で装着可能。

タントを見ると、現時点での衝突基準(ポール側突なし)に有効なサイドエアバッグこそ付いているが、危険なのはカーテンでカバーする側頭部。サイド&カーテンエアバッグを装着できるのは上からひとつ下の1グレードのみで、8万6400円もする! 売る気をまったく感じない設定だ。

自動ブレーキも同じ。J-NCAPの試験結果を見たら、停止している車両に対しノーブレーキで接近して止まれる速度は、N-BOXの50km/hに対し、タント40km/h!

車両の陰から出てくる歩行者を検知しての自動ブレーキまで行っているN-BOXに対し、タントは「データなし」(止まれない)。一事が万事、N-BOXと違う。

日本のユーザーは慧眼だ。同じような金額出すのなら、迷うことなく、N-BOXを選ぶでしょうね。

■まとめ…勝者はN-BOX! その勝因は?

軽と普通車との間で安全装備に差がなく割安に装着できるN-BOXに対し、性能で劣るサイド&カーテンエアバッグや自動ブレーキが割高なタントでは厳しい。

〈参考:2018年7月期の販売台数〉
■ヴェゼル……4724台(ハイブリッド含む)
■CX-3……849台
■ノートe-POWER……1万1256台(ノート含む)
■フィット……9144台(ハイブリッド含む)

■ハリアー……3750台(ハイブリッド含む)
■エクストレイル……3759台(ハイブリッド含む)

N-BOX……1万9098台
■タント……1万708台

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