安くても楽しいぞ!!　100万円台で選べる通好みの内燃機関車 4選

　安い=性能面で劣る、というのはある意味正解だが、日本車には「安いけど走りを存分に楽しめるモデル」がまだまだ健在だ。まさにクルマ好き向けの最高のモデルを自動車評論家の片岡英明氏がチョイス！

※本稿は2022年3月のものです
文／片岡英明、写真／ベストカー編集部 ほか
初出：『ベストカー』2022年4月26日号

■安くて楽しい……願ったり叶ったり！

　今や最もベーシックな軽自動車として認知されているアルトもマイルドハイブリッドを設定する時代。コンパクトカークラスもハイブリッドが主流になってきている。

　そんななか、100万円台で新車が購入できて、しかも運転して楽しいモデル4台を厳選し紹介していく。

　まずはスズキ スイフトRS。RSは欧州仕様の足回りが与えられたモデルだ。

　とにかくスイフトはシャシーがしっかりとしていて足回りが勝っている。RSは足回りのセッティングも絶妙。パワーこそ劣るが、5MTならスイスポのごとく小気味よく走ることができる。

　楽しさに加えて、ヤリスなどコンパクトカーのエンジンは3気筒が主流のなか、スイフトは4気筒だからロングドライブでも快適だ。

　続いてはマツダ2。マツダ2といえば、クラス唯一のディーゼルが注目されるが、意外にトルク感が薄く、MTとのマッチングはイマイチ。

　逆にガソリンエンジンのSKYACTIV-G・1.5はスポーティ。昨年の一部改良で高圧縮比化するなど改良を受け、性能と燃費を両立している。

　お薦めは競技ベース仕様の15MB。内装、装備がほかのグレードより劣るが、もともとマツダ2はオーバークォリティだから、チープ感はない。

　走りの面ではギア比をエンジン特性に合わせているので、6MTを駆使し、シフトを繰り返すことで実用スピード域でも楽しめるのが最大の魅力。

　軽自動車では、ホンダ N-ONE RS。6MT、CVTとも199万9800円と同額だが、シフトストロークが短く、気持ちよくシフト操作ができる6MTがお薦めだ。

　N-ONEは、形こそ旧型とどう違うのか判別に苦しむが、走りは激変!!　とにかくクルマのしっかり感は軽自動車とは思えないレベルで、アシがよくできているので、けっこうイケイケにクルマを振り回してもスタビリティが高く安心感もある。

　軽自動車ゆえ維持費が安く、リセールもよさそうなのも大きな魅力となる。

　最後はスズキ ジムニーシエラ。キャラクターは違うがスイスポに匹敵するほどのコスパの高さを誇る。フレーム付きの4WDゆえ、オフロードなどこのクルマでしか味わえない楽しさを満喫できる。

　ジムニーもいいが、ジムニーの660ccターボに対して、シエラは1.5L・NAということで、排気量差からくる余裕が魅力。低回転域のトルクが太く、ストレスフリーときている。

　5MTを選びたいモデルだが、イージーに走りを楽しめるATもお薦めできる。

　天候、路面コンディションに左右されず強さを発揮できる強靭さも大きな魅力だ。