■ライバルのホンダ ヴェゼルと比較する
それならヤリスクロスのライバル車となるヴェゼルはどうか。ヴェゼルe:HEV・X・2WDの価格は265万8700円だ。ヤリスクロスハイブリッドZ・2WDの258万4000円に比べて約7万円高いが、おおむね同程度と考えられる。
そこでヴェゼルe:HEV・X・2WDで3年間均等払いの残価設定ローンを組むと、月々の返済額は4万5500円になる。ヤリスクロスハイブリッドZ・2WDは4万6900円だから、ヴェゼルe:HEV・X・2WDは、価格が約7万円高いのに、月々の返済額は1400円少ない。
価格と残価設定ローンの返済額が逆転した理由は、トヨタの残価設定がローン金利を年率6.8%で計算するのに対して、ホンダは3.5%と低いからだ。またヴェゼルの3年後の残価も新車価格の53%で、ヤリスクロスよりも1%高く、有利な条件が重なった。
そこでヤリスクロスハイブリッドZ・2WDと、ほぼ同じ価格のヴェゼルe:HEV・X・2WDを比較する。まず車内の質感はヴェゼルが優れている。インパネ周辺を上質に造り込み、シートの座り心地もヴェゼルが快適だ。
車内の広さもヴェゼルの圧勝だ。身長170cmの大人4名が乗車した場合、後席に座る乗員の膝先空間は、ヤリスクロスは握りコブシ1つ半だがヴェゼルは2つ半に達する。ヤリスクロスに4名で乗車すると、後席は窮屈に感じるが、ヴェゼルはゆったりと座れて快適だ。
後席を使っている時の荷室長(荷室の奥行寸法)は、あまり差が付かない。ヴェゼルの荷室は広そうに思えるが、後席の取り付け位置を後方に寄せて足元空間を広げたから、荷室長が影響を受けて短くなった。
それでもヴェゼルは燃料タンクを前席の下に搭載して荷室の床を下げたから、全高はヤリスクロスと同じ1590mmなのに、荷室高はヴェゼルに余裕がある。
ヴェゼルはシートアレンジも豊富で、後席の座面を持ち上げると、車内の中央に背の高い荷物を積むことも可能だ。質感、居住性、荷室の使い勝手はヴェゼルが優れている。
動力性能は、ヤリスクロスとヴェゼルでは性格が異なる。売れ筋になるハイブリッドの場合、ヤリスクロスハイブリッドZ・2WDの車両重量が1190kgに収まることもあり、1350kgのヴェゼルe:HEV・X・2WDに比べて加速が軽快だ。
その代わりヴェゼルのe:HEVが採用する1.5Lエンジンは直列4気筒だから、3気筒のヤリスクロスに比べてノイズが小さい。e:HEVではエンジンは発電に使われ、駆動は主にモーターが担当するから、走りも滑らかだ。
同様のことが操舵感や走行安定性にも当てはまり、ボディの軽いヤリスクロスは、峠道などを走った時に車両の向きを変えやすい。乗り心地は逆にヴェゼルが柔軟で快適だ。
装備は、価格の近いヤリスクロスハイブリッドZ・2WD(258万4000円)とヴェゼルe:HEV・X・2WD(265万8700円)で比べると、前者が充実する。
ヤリスクロスハイブリッドZ・2WDは、運転席の電動調節機能、8インチディスプレイオーディオ、専用通信機能など、ヴェゼルe:HEV・X・2WDが装着しない装備を採用している。
アルミホイールのサイズも、ヴェゼルe:HEV・X・2WDは16インチだが、ヤリスクロスハイブリッドZ・2WDは18インチだ。シート生地もヤリスクロスが上質になる。
以上のように両車を比べると、内外装の造り、居住空間の広さ、荷室の使い勝手、乗り心地、静粛性などは、ボディがひとまわり大きなヴェゼルが優れる。装備については、同じ価格で比べるとヤリスクロスが充実しており、ボディがコンパクトで軽いために運転感覚も軽快だ。
総合的に判断すると、基本性能の優れたヴェゼルの魅力が強い。特にファミリーユーザーにとって、ミドルサイズSUV並みに広いヴェゼルの車内は魅力だ。
注意したいのは納期で、販売店によるとヤリスクロスは「ノーマルエンジン、ハイブリッドともに半年以上を要する」という。
ヴェゼルは「売れ筋になるe:HEVのXやZは、短くて半年、長ければ1年かかる。またe:HEV・PLaYは、納期がさらに長いから今は受注を中断している」という。商談はなるべく早めに始めたい。
【画像ギャラリー】キング・オブ・コンパクトSUV!! 根強い人気を保つトヨタ ヤリスクロス(12枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方粘着ホンダ信者が何度もヤリスクロスやハリアーを持ち出して「ヴェゼルのほうがすごい」をやるので怖い。笑
自信が無いからそういうことするんだろうね。