マツダを担うCX-60&ラージ・アーキテクチャー 評論家10人の評価

■まとめ

 いかがだっただろうか。俯瞰してみると、PHEVとディーゼルの評価はPHEVのほうがやや評価が高いが全体的にどちらも好印象。評価が分かれたのはミッションフィールで、まだまだ熟成の余地があるということ。

 100点満点の採点は、まだCX-60がプロトタイプであることに注意してほしい。マツダ開発陣がここから最後の仕上げを行うため、製品版ではまた評価が変わるハズだ。

 CX-5を引き続き残すことからも、そこよりは高めの価格レンジとなるはず。その点を心配する評論家も多かったが、ユーザーはどう判断するのだろうか。


【番外コラム】CX-60の注目ポイント

●エンジンと音の作りこみが凄い!!

 4気筒PHEVのベースエンジンは、CX-5などにも使われている2.5L直4NAエンジンだ。わりとなんの変哲もないエンジンと言っていい。

 ところが、モーターアシストが加わることでドライブフィールが一変する。中速域からグイッと盛り上がるトルク感は素の2.5Lとは大違いで、CX-8の2.5Lターボが、さらに上まで伸びてゆくような感覚のスポーティな走りが味わえる。

 おまけに、スピーカーによってエンジンサウンドが演出されているのだが、これが予想以上に効果的。最初は「人工的なフェイクでしょ?」と侮っていたのだが、まるでスポーツカーみたいなサウンドで走りを盛り上げる。悪くないよ〜コレ。

●新技術多数投入の注目メカを紹介!!

 技術的にいちばん興味を持ったのは、トルコンの代わりに湿式多板クラッチを使った8速AT。過去にメルセデスAMGなどが採用した例があるけど、こういう量産モデルが全面採用するのは初。PHEVや48Vマイルドハイブリッドなど、電動デバイスと併用することで実現したトランスミッションだと思われる。

 エンジンでは6気筒ディーゼルターボエンジンが新しい燃焼理論を導入しているのが面白い。トルクを少し絞っているが、その分低コストの排ガス浄化システムで規制をクリアしている。

 シャシーでは、キャスターを立ててステアリングギア比をあえて遅めにした「逆張り」セッティングをしている。これもマツダらしくて非常にユニークだ。

CX-60 e-SKYACTIV D 諸元
CX-60 e-SKYACTIV D 諸元
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