■塩見 智はこう見る
●CX-60プロトの評価は?
ディーゼルもPHEVもパワーはもっと欲しいけれど、キリがないのも事実であり、充分といえば充分だ。触れ込みどおりの燃費性能が備わっているのであれば、言うことなしのパワートレーンだろう。
PHEVについては前後にモーターを使い段付きの変速をしないトヨタや三菱のほうが加減速がよりスムーズなのではないか。あくまでプロトタイプ試乗段階の感想だが。
●ラージ・アーキテクチャーの課題と将来性は?
400万円未満で縦置きレイアウトの新車を味わえるであろう点には期待しかない。不安なのはサルーンに関する情報が一向に聞こえてこないこと。
推測だが、縦置き&多気筒は、本来SUVではなくマツダ6後継車のための構想だったはず。車名はマツダ6でもコスモでもルーチェでもいい。なんとか市販してほしい。魂動デザインの卒業制作みたいな、ぶちカッコいい姿で。
●塩見 智の採点……80点
・PHEVのフィーリング 4
・直6ディーゼルのフィーリング 4
・ハンドリング 4
・ミッションフィール 3
・ブレーキフィール 4
・乗り心地・快適性 5
■石川真禧照はこう見る
●CX-60プロトの評価は?
PHEV、直6ディーゼルともに〇なところは、ハンドリングのナチュラル感と、素直さ。これはマツダが長年研究してきた人間工学とクルマの在り方を考えたクルマづくりの成果だ。新開発の8速ATも低速域でのシフトショックなど改良点はあったが、これも今度の発売には解決しているハズ。
×なところはスタイリング。そろそろこのスタイリングも飽きがくるのでは?
●ラージ・アーキテクチャーの課題と将来性は?
CX-3、CX-5など一連のSUVのヒットで得た儲けをつぎこんで開発したラージ商品群だが、その開発の理由が既存ユーザーの受け皿という。果たしてマツダのユーザーはみんな上級移行志向なのだろうか?
新商品は、技術者たちの説明を聞けば、凄くいい商品ということがわかるが、一般ユーザーにそれが伝わるかが鍵となるだろう。ひと言でわかるキャッチフレーズが欲しい。期待より不安が現時点では勝っている。
●石川真禧照の採点……85点
・PHEVのフィーリング 4
・直6ディーゼルのフィーリング 5
・ハンドリング 5
・ミッションフィール 4
・ブレーキフィール 5
・乗り心地・快適性 4
■橋本洋平はこう見る
●CX-60プロトの評価は?
直6ディーゼルは欧州勢のそれとはやや違い滑らかさと力強さがもう少し欲しい。PHEVは意外にも高回転までスカッと吹け上がる。EV走行中でもシフトを繰り返す制御は新しいが必要か? そしてクラッチのつなぎ方でギクシャクするのは要熟成かと思う。
シャシーは明らかに限界重視ではなく、一体感あふれる連続したフィールがマル。SUV界のロードスターといっていい。
●ラージ・アーキテクチャーの課題と将来性は?
多段ATをようやく手にできたこと、そして新たなるディーゼルやPHEVを搭載したことでマツダの明るい未来が少し見えた。ふたつのクラッチの制御など、まだ課題はいくつかあるが、これをクリアして販売台数増加に繋げてほしいと期待する。
一方の不安はこのユニットをいつまで使い続けられるのか? 一刻も早く投資回収し利益がしっかり生まれることを祈っている。
●橋本洋平の採点……65点
・PHEVのフィーリング 4
・直6ディーゼルのフィーリング 3
・ハンドリング 5
・ミッションフィール 2
・ブレーキフィール 4
・乗り心地・快適性 4
コメント
コメントの使い方