ホンダ×いすゞの第2弾! 「ホンダ ホライゾン/いすゞ ビッグホーン」
ホンダといすゞが結んだ商品の相互補完契約によりホンダからジャズが発売されたが、さらなるRV拡大路線にのってホンダからリリースされたのがいすゞ ビッグホーンをベースにした「ホライゾン」だ。
ホライゾンの発売は1994年で、いすゞの2代目ビッグホーンが供給された。ジャズ同様にビッグホーンからの変更はわずかであったが、ホンダ専用シート表皮およびフロントグリルを採用やフルオートエアコン&6スピーカーオーディオシステムを標準装備するなど、ホライゾン独自のアピールポイントも加えられていた。
いすゞ ビッグホーンと共通の特徴として、イギリスのスポーツカーメーカー・ロータス社がチューニングを施したサスペンションがあり、モード変更が可能なパートタイム4WDシステムも時流に沿ったものだった。
いすゞのビッグホーンは1981年にデビューし、モデルチェンジを経て2002年まで販売された。だが、ホンダのホライゾンは人気を得られず、1999年には販売が終了している。
名前まで同じなのはなんで? 「スバル ビッグホーン/いすゞ ビッグホーン」
実はホンダ ホライゾンにはもうひとつ兄弟車があった。それがスバルで販売されたビッグホーンだ。この車名からもわかるように、いすゞ ビッグホーンのOEMだったが、珍しいことに名称までそのままで1988年にリリースされた。
この頃の国内ではRVブームが始まっていたが、スバルには自社製RVモデルがなく、苦肉の策として当時同じGM(ゼネラルモーターズ)グループに属していたいすゞ製ビッグホーンを販売することになった。
ホンダのホライゾンがそれなりに独自色を出していたのに対し、スバル ビッグホーンはエンブレム以外まったくいすゞ ビッグホーンと同じであり、メーカーのヤル気はそれほど感じられなかった。名称が変更されなかったのは、スバルの独自開発モデルではなかったことがその理由だと推測される。
このように不遇な扱いを受けていたスバル ビッグホーンだったが、本家のいすゞ ビッグホーンが1991年にフルマイナーチェンジすると、それに合わせて1992年にマイナーチェンジ版が登場。ホンダ ホライゾンと同じロータスチューンの最上級グレードのみが発売された。
だが、スバル版ビッグホーンの知名度が上がることはなく、1993年のOEM契約解消をもって販売も終了となる。いすゞ ビッグホーン自体は評価の高いシリーズであり、その秀作と同一車両でありながら陽の目を見ることができなかったスバル ビッグホーンは、悲運のクルマと呼んでいいかもしれない。
これはパジェロであってパジェロじゃない? 「日産 キックス/三菱 パジェロミニ」
2008年、日産から同社初の軽サイズSUVが発売された。そのモデルの名が「キックス(KIX)」。この時期軽自動車のラインナップ充実に力を入れていた日産は、三菱からパジェロミニの供給を受け、それを自社のキックスとしてリリースすることにしたのだ。
ベースとなったのは、パジェロミニでは2代目にあたるH58型。すでに高い評価を得ていたモデルのOEM版だけに、オリジナルから大きな変更を施すことなく市販へと移されている。
パジェロミニと異なるのはフロントグリル回りのデザインやリアのスペアタイヤカバーなどで、当時の日産車のイメージを継承する顔つきになっていた。また、パジェロミニでは存在していた自然給気エンジンモデルの設定はなく、すべてターボエンジン仕様だった。
オリジナルの出来の良さもあってキックスのセールスも好調と言われていたが、肝心のパジェロミニが諸事情により2012年をもって販売を終了することになった。これにより初代日産 キックスの販売も同年で終わっている。
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