まずはリアスポイラー、その次にフロントスポイラー
実際に効果の大きいエアロパーツについてだが、燃費に効果のあるエアロパーツは、純正の状態ですでに装着されていると考えていいと思う。例えば、純正で装着されている空力用途パーツだと、フロントバンパー下にあるディフレクターやホイールデザイン、エアロスタビライジングフィン(トヨタ車)、ルーフ後端を延長したリアスポイラー、エアロサイドミラー、ここ数年だと、リアバンパー下のディフューザー、フロントバンパーサイドに空いたエアスクリーン用ダクト、などだ。これらは「取り外したり、機能を殺してはダメ」なアイテムたちだ。
そもそも、ボディ形状を設計する上で、ボディシェイプやボディ表面の凹凸、ルーフ上面やボディサイドの流れ、ボディアンダーの形状、マフラー経路、タイヤホイールハウス内の空気の流れ、さらにはサイドミラー形状まで、全て計算して導き出している。そのため、後付けパーツをポン付けしたところで、空気抵抗を増やすことにしかならず、気軽に燃費改善できる、なんてのは不可能に近い。
「燃費」を無視したとして、リフトフォースに効果があるエアロパーツは多いと思われる。自動車メーカーエンジニア経験を通した、個人的な考察だが、もっとも効果が強かったのはフロア下のフラットパネル、次いで効果があったのがリアスポイラーであった。なかでも、リアに付け加えるエアロパーツはクルマの安定感に大きく寄与しており、サイドビューで見たときに、空気の流れを上下動させるアイテムは、そのパーツの大きさが小さくとも、効果は大きかった。
その反面、フロント周りに付けるスポイラーなどのアイテムは、その効果は大きいが、やり過ぎるとデメリットがあった。高速走行になるほどフロントには「安定感」が欲しいところだが、ハンドルの修正舵に対する車両応答が機敏となり過ぎて、安心感が一気に低下したことがあった。
やってみたいならば、リア周りのエアロパーツを中心に付けてみて、その効果が分かれば、フロント側にもチャレンジしてみる、という順番でとりいれるのがいいと考える。
ぜひ、実際に取り付けて体感してみてほしい
筆者も(仕事ではなく個人的に)、某エアロパーツ屋で購入したフロントリップスポイラーやサイドシルバンパー、リアバンパーなどを装着するなど、愛車改造(ベース車は4ドアセダン)に勤しんだ時代があったが、フロントスポイラーは、100km/h程度のスピードでもフロントが下に押さえつけられるような印象を感じたが、速度が伸びにくくなり、アクセルペダルを余計に踏む必要があった。おそらく、フロント周りに付けたパーツは「空気抵抗の塊」になっていたに違いないが、「カッコ良さ」を選び、外さずにいた。
自ら選んで取り付けたパーツの違いが分かると、非常に嬉しいもの。法を順守したうえで安全にも注意し、ぜひ、実際にエアロパーツのオンオフをして、効果を楽しんでみてほしい。
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