■軽自動車の場合は事情がちがう?
課題としては、このような傾向がすべての車種にまだあてはまっていないということになっていること。
例えば、2021年12月にフルモデルチェンジを行った新型アルトを見てみよう。新型アルトはフルハイブリッドではないものの、エネチャージ仕様に加えてマイルドハイブリッド仕様をラインナップしているが、量販グレードをエネチャージ仕様となるLと位置付けている。
その証拠といってもいいのが“アップグレードパッケージ”の設定である。これはLの装備に加えLEDヘッドランプやフルオートエアコンなどを装備した、いわば“お買い得仕様”となっている。
このバリエーション展開から見てもLが販売中核グレードとなっているのがわかる。販売現場でも「どちらがおすすめですか?」と聞くと、「マイルドハイブリッドを選ばなくてもそんなに燃費性能変わらないですから」とLを積極的にすすめられた。
軽自動車はスペースやコストの問題もあり、フルハイブリッドやそれ以上の電動化が難しいとされている。
先ごろ軽規格BEVが日産と三菱からデビューしたが、販売現場では「いままでの軽自動車ユーザーというよりは、登録コンパクトカーやそれ以上のクラスにお乗りのお客様でご興味のあるひとへアピールしたい」との話が多かった。
現状マイルドとはいえ、ハイブリッドユニットを搭載する軽自動車はアルト以外、スズキ スペーシア、同ハスラー、同ワゴンRほかごく一部しかない。アルト以外は“高額軽自動車”と呼んでもいい、下手すれば支払総額で250万円も珍しくない仕様が含まれるモデルとなっている。
そのクラスになると、「ハイブリッドなんだ」とダイハツ同クラス車ではなく、スズキ車が選ばれるケースも目立ってくるが、軽自動車本来のコストを重視したクラスでは“ハイブリッド”は馴染みにくいと判断し、当面は中古車市場でもメリットが薄いと見ているようである。
今後は、純粋な内燃機関車に乗っていれば、自動車関係諸税の税額アップなど、電動車がより優遇されることも十分考えられるので、わかりやすくいえば、まずは“最低でもHEV”という視線で新車選びをしていかなければならなくなるように、多方面から“誘導”されることになっていきそうである。
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