過信禁物!? 自業自得!?!? 最新技術に寄せられた不満と要望の声


■衝突被害軽減ブレーキのイレギュラーが起きやすいシーン

ここで、担当が経験した「衝突被害軽減ブレーキがイレギュラーな動きを見せたシーン」を3つ紹介してみよう。担当編集も衝突被害軽減ブレーキを装着した車両に乗っているが、イレギュラーな反応を示すことはある。

衝突被害軽減ブレーキが適切に作動するためには条件がある。天候、路面状況や道路状況、自車の速度、ドライバーの操作、障害物の形状などによっては作動しないこともある。あらゆる状況での衝突を回避できる、万能のシステムではないのだ。

急な割り込み

隣の車線から急な割り込みをされた場合、対象車両の動きが危険との判断が間に合わず、追突する危険がある。注意が必要だ。

Rの急なカーブ

直角に近いカーブで進入速度が高いと、警告音が鳴ることがある。場合によってはブレーキがかかることも。

路肩を走る自転車

写真くらいの距離では大丈夫だが、細い道などで車両前方のもっと近い位置に自転車などがいると、急ブレーキがかかることがある。

「想定外」を「想定内」にする努力も必要かもしれない

こうした結果を見ると、衝突被害軽減ブレーキがイレギュラーな作動をしただけのように取られるかもしれないが、実のところはそれだけではないことも明かされている。

「現在実用化されている先進安全装備は、完全な自動運転ではなく、ドライバーは機能を過信せずに安全運転をする必要がある」という、「機能的な限界」を理解しているかという問に、「聞いたことはあるが理解していない」、「理解していない」と答えた人が合わせて340人(17%)も存在した。

対象物との速度差が大きい、障害物が小さい、悪天候で視界が悪い場合などには、充分な効果が得られなかったり、人や物体を検知しない場合もあることを理解していない、利用者の過信に問題がある可能性も判明した。

今回の調査でとくに気になったのは、多くの人が「想定外」と感じたことが、機能の特徴をしっかり理解できていれば、「想定内」にできた可能性もあったのではないか? という点だ。

相談で寄せられた内容すべては把握できていないが一部の相談を見ると、

・オートクルーズコントロールで、前走車がいなくなった際に設定速度まで加速する時間が短く、体感的に「急に加速した」と思った。

・前走車のいる状態で信号待ちから急発進と判断されるようなアクセルの踏み方をしたので、誤発進抑制システムが作動し「急ブレーキがかかった」と思った。

・そもそも取扱説明書に書いてある(読んでいないが……)事例だったが、知らなかったので「想定外」の出来事だと思った。

といったこともあったのでは……? との推測もできる(もちろんあくまで推測である)。

国民生活センターでは「機能を過信せず安全運転を心がけてほしい」と注意を呼びかけているが、「運転者が技術的な限界を理解しないケースも少なくない」と指摘がされている。

先進安全装置はいまや大きなセールスポイントにもなり、各メーカーが競って開発している。

「自動ブレーキ」という呼び方が浸透してはいるが、メーカーでも注意喚起をしているように「全自動」ではない。あくまで「運転者をサポートする機能」であることを運転者が理解し、うまく付き合っていくことが大切ではないだろうか。

自分だけではない、ご家族を乗せたり、ご家族が運転したりといった方もいるだろう。ご家族の安全のためにも、ぜひ理解を深めてもらいたい。


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