多くのドライバーがお世話になる教習所だが、そこで習う内容はあくまで公道を走るために必要最低限の技術や知識だ。しかし、実際にクルマを運転するようになれば教習所では教えてもらわなかったような、さまざまなトラブルに遭遇するものだ。しかし、ちょっとした対処法さえ知っていれば、パニックにならずにその場をしのぐことができるトラブルは多い。
今回は、パニックになりやすいものの、実は対処法は簡単というトラブルを紹介する。ベテランドライバーでも意外と知らないような対処法もあるはずだ。知っておけば、いざという時に冷静に対応できるはずだ。
文/入江 凱、写真/写真AC
【画像ギャラリー】JAFを呼ぶ前にやるべきことを知っておこう(19枚)画像ギャラリースマートキーが電池切れ! ドアも開かないし、エンジンもかからない!
クルマのドアの開錠もエンジン始動もいまやスマートキーで行うことがほとんど。もし、出先で電池が切れてしまったら、パニックになってしまう人もいるだろう。そんな時は慌てずにスマートキーをチェックしよう。
スマートキーには物理キーが内蔵されている。このキーを運転席のドアの鍵穴に挿し込めばドアを開錠することができる。その時、盗難防止のためのブザー音が鳴り響く場合があるが、エンジンを始動すれば鳴りやむので焦る必要はない。
エンジンを始動する場合には、ひと昔前に主流だったノブを捻ってエンジンをかけるツイストノブタイプの場合、ノブに物理キーを差し込めるようになっていることが多い。物理キーを差し込んでノブを捻ればスマートキーが電池切れでもエンジンを始動させられる。
プッシュスタート式の場合、ブレーキを踏みながらスタートボタンにスマートキーで触れるとキーが認識され、再度スタートボタンを押すとエンジンが始動できる。ただしこの対処ができるのはスマートキーの電池の残量が完全にゼロになる前の話。ゼロになってしまうとキーを認識できなくなってしまう。
あなたのクルマがパンクした時に使うのはスペアタイヤ? パンク修理キット?
スペアタイヤに交換したことはあってもパンク修理キットを使用したことがない人は多いはずだ。最近のクルマは昔と違いスペアタイヤが搭載されておらず、代わりにパンク修理キットが装備されていることが多い。車種によって積載されている場所やパンク修理キットの使用手順は違うことがあるので、トラブルが起きる前に説明書を見て確認しておくことをお薦めする。
■スペアタイヤ搭載の場合
1.クルマを作業するのに安全な場所(平坦で硬い地面の場所)まで移動し、Pレンジ、パーキングブレーキなどを使用しエンジンを切って停車する(やむをえず傾斜地で作業を行う場合は交換するタイヤの対角線上のタイヤの下り側に輪止めを使用する)
2.車載工具、ジャッキ、スペアタイヤを取り出す
3.ジャッキアップする前にパンクしたタイヤのナットを車載工具で緩めておく
4. ジャッキアップポイントと呼ばれるジャッキを掛けてもいい場所にジャッキを噛ませてクルマを浮かせる
5.緩めたナットを外してパンクしたタイヤを取り外したら、ジャッキが外れた際の事故防止のためにクルマの下に置いておく
6.スペアタイヤを取り付けた後、ナットを締めてジャッキをゆっくりと下ろし、地面にクルマを下ろす
7.脱輪防止に工具を使ってしっかりとナットを締め込む
■パンク修理キットの場合
1.パンク修理キットを取り出す
2.ドアを開けたところに貼ってあるステッカーでタイヤの適正空気圧を確認する
3.コンプレッサーに薬剤をセットする
4.タイヤの空気を入れるバルブにコンプレッサーのホースを接続する
5.コンプレッサーの電源をシガーソケットに接続し、エンジンを始動してコンプレッサーを起動する
6.指定の空気圧まで注入したらコンプレッサーをオフにして薬剤が全体に行き渡るように10分、または5㎞ほど走行したらコンプレッサーの空気圧計で空気が抜けてないか確認する
この時点で空気が抜けてしまっている場合、パンク修理キットでは対応できないレベルのパンクということなので、走行はしないようにしよう。
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