「今の時代、おっさんはどんなクルマに乗るべきか?」
いやもちろん、どんなクルマに乗ったっていいのだが、アナタ(おっさん)が仮にクルマ好きなら、周囲のクルマ好きからどう見られるかを意識するはずだ。そして少なくとも、「シブイなぁ!」とか、「わかってるね~」と思われたい、と願うのではないだろうか? そういう選択を、ワタクシ清水草一が独断で展開いたします!
今回は、後ろ姿がスーパーカーに見えるかもしれない、いや、全然違うといえば違うけど(笑)、なんとなく横長六角形のイメージがあのクルマに見えてくる先代型ホンダ シビックハッチバックを取り上げる。
文/清水草一
写真/ホンダ、フォッケウルフ
■リアデザインが秀逸なスポーティハッチバック!
夜、首都高を走っていて、合流してくるクルマの後ろ姿に一瞬「ランボルギーニか!?」と思ったら、先代型のシビックだった。それもでっかいリアウイング付きのタイプRではなく、ノーマル(1.5ターボ)のハッチバック!
先代シビックは、タイプRの戦闘的なルックスに注目が集まったが、ノーマルのハッチバックも、巨大なリアウイングこそないものの、基本的なデザインはタイプRと同じだった。特に夜だと、まず目に飛び込んでくるのはテールランプの造形だ。それに関してはタイプRもノーマルも変わりなく、カウンタックからアヴェンタドールまで継承されている横長六角形のランボルギーニスタイルに見えないこともない(私は元カウンタックオーナーです)!
先代シビック、特にタイプRのデザインに関しては、良識派カーマニアから「あまりにもガンダム的」「ホンダはまだこんなデザインをやってるのか」という声が聞かれた。確かにゴテゴテと満艦飾のエアロや、巨大なエアインテーク&ダミーのエアアウトレットは、古臭いといえば古臭いが、男は本能的に、こういった「武装」に惹かれてしまう。個人的には、「ちょっと気恥ずかしいけどカッコイイなぁ」という感想を抱いたものだ。
タイプRではないノーマルのハッチバックも、前述のようにリアウイングを外し、全体的にやや大人しくしただけで、フォルムは変わらない。タイプRだと派手すぎるけど、ノーマルならちょうどイイネ! と感じるガンダム世代のおっさんは、少なくないのではないだろうか?
昔からスポーツカーは、後ろ姿が重要だといわれる。なぜならスポーツカーは速いので、一般車は必ず追い越される(はず)。一般車のドライバーがスポーツカーを直接目にするのは、後ろ姿ばかり(のはず)だからだ。スポーツカーは、他車を抜き去ったあと、「あれに抜かれたならしょうがない」と思わせなくてはならないのだ。
後ろ姿が戦闘的なクルマというと、たとえば日産 GT-Rやランボルギーニなど、どれもこれも本物のスポーツカーばかりで、フツーのモデルにはない。かつて三菱 ランエボがガンダムだった時代も、フツーのランサーは地味だった。スバル インプレッサも同様だ。
昔も今も、フツーのクルマに、後ろ姿が戦闘的に見えるモデルなんてほとんど存在しない。現行型のシビック(ハッチバック)も、落ち着いた大人のデザインに変身した。先代シビックハッチバックは、フツーのクルマとして、かなり唯一絶対的な存在なのだ!
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