「今の時代、おっさんはどんなクルマに乗るべきか?」
いやもちろん、どんなクルマに乗ったっていいのだが、アナタ(おっさん)が仮にクルマ好きなら、周囲のクルマ好きからどう見られるかを意識するはずだ。そして少なくとも、「シブイなぁ!」とか、「わかってるね~」と思われたい、と願うのではないだろうか? そういう選択を、ワタクシ清水草一が独断で展開いたします!
文/清水草一
写真/マツダ
■マツダ3とアクセラとの大きな違い
クルマ好きのおっさんなら、マツダにはリスペクトを感じているに違いない。
マツダは、クルマ好きの心の琴線に触れる、いいクルマを数多く作ってきた。ロータリーエンジンをはじめとして、独自のメカにもこだわってきた。「なんでこんなにクルマ好きだけを相手にしたようなクルマばっかり作ってるんだ!」と呆れるほどだ。
が、個人的には、クルマ好きのおっさんのひとりとして、ここ最近のマツダ車には納得できない部分がある。特に接地感と乗り心地に関しては、「前モデルのほうがはるかによかった」ということがある。
その最たる例が、アクセラと、その後継モデルたるマツダ3だ。アクセラがあれほど豊饒な接地感としなやかな乗り心地を持っていたのに、登場当初のマツダ3の足まわりはしなやかさがなく、路面からガンガン突き上げがきた。「マツダはいったいどうしちゃったんだ!」とおおいに嘆いたものだ。
これはもう、リアサスがマルチリンクからトーションビームになったっていうことじゃ説明できない。乗り味の哲学そのものが変わったように思えた(マツダ側は全否定)。
マツダ3の足は、その後のマイナーチェンジで徐々に改善され、元のしなやかさを取り戻しつつあるが、まだアクセラの域には達していない。本来、クルマはどんどん進歩して当たり前なのに、「前モデルのレベルに戻るのが楽しみ!」なんてなぁ……。あくまで好みの問題ではありますが。
とまあ苦言を呈してみましたが、しかし「前のモデルのほうがよかった」というのは、ある意味朗報だ。新車より中古車のほうがいいということなのだから、そのぶん安くいいクルマが買えるので。
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