ラリーで躍動したランエボと「箱根」を支えた三菱車
そして、ふたつ目が「モータースポーツでの活躍」だ。
12回もの総合優勝を飾ったパジェロでのパリダカールラリー。WRCではランエボが躍動し、ドライバーズタイトル4連覇+1998年のマニュファクチャラーズタイトルを獲得。
また、ミラージュは4世代に渡るワンメイクレースだけでなく、ジムカーナ、ラリーやダートトライアルといったライバルのシビック以上に幅広いステージで活躍。
さらに、かつての三菱はラリーアートによる支援も全体的に手厚く、プライベーターも長年支えていた。
そして、3つ目はプロモーションの上手さだ。
2003年まで長年続いた箱根駅伝での先導車提供をはじめ(その後ホンダ、トヨタに移行)、1989年の石原プロモーション制作の刑事ドラマ「ゴリラ・警視庁捜査第8班」には、西部警察までの日産車に代わり、スタリオンと2ドア時代のエクリプスのガルイングなど当時の主力車種がほとんど登場(激突する白黒のパトカーや犯人車まで三菱車で揃えられていた)。
また、ジャッキーチェーン氏の映画や、松任谷由実さんのコンサートの協賛などでも、一般の人が三菱自動車の名を聞いたり、三菱車を目にする機会も多かったように思う。
「今の三菱」には何が足りないのか?
裏を返せば、今の三菱にないのは、こうした「良かった三菱自動車にあったもの」だと思う。
「商品の魅力や技術」で見ると、2000年代以降、三菱車はもともとのDNAである“堅実さ”しか印象に残らない車が多く、インパクトがあったのは歴代ランエボ、eKワゴン(初代は清々しいシンプルさ、2代目はスライドドアの設定も印象的)、i-MiEVを含むi、デリカD:5、アウトランダーPHEV、4WD技術くらいしかなかったように感じる。
「モータースポーツでの活躍」も現在ではほとんどイメージがなく、プロモーションに関しても広告以外で一般の人が三菱車をメディアで見る機会は少なくなった。
クルマは高額商品なだけに、買う際には決め手となる強い魅力や何らかの華やかさ、イメージが必要だ。大メーカーではない三菱にとってこれらは一層重要だろう。
加えて自動車メーカーにとって、新車を定期的に出すということも重要であり、エクリプスクロスまで4年間、新型車を出せなかったなど、三菱にとってここ数年八方塞がりになってしまったのは大変辛かった。
ホンダと三菱の差がここまで開いてしまった理由
ここまであげた「今の三菱自動車にないもの」が、そのままホンダとの差が広がった要因となっている。
ホンダはここ20年、ストリームやフィット、フリードなど、時おりホンダらしいインパクトや新しさのある車に加え、世界的に確実に売れるアコードやシビックのような車も堅実に作ってきた。
その一方で日本市場の動きにも対応し、軽自動車に注力するなどの時代に応じた変化も行い、順調に業績を伸ばしてきた。
対する三菱は、ここ20年全盛期のようなインパクトや新しさを感じる車を、どういうワケかなかなか作れなくなってしまった。そこに不祥事も重なり「貧すれば鈍する」のような深刻な悪循環に陥ってしまったということだろう。
厳しいなかにいる三菱ではあるが、アウトランダーPHEVの素晴らしさを見てもわかる通り、三菱自動車に力がないわけではない。
今後三菱は、日産・ルノーとのアライアンスにより、オリジナル車の開発は難しくなる。しかし、そうしたなかでもデザインやコンセプト、走りの味付けなどでオリジナリティを保てる可能性は充分あるだろう。
例えば、次期日産ジュークと三菱RVRが兄弟車なら、ジュークはスペシャリティでRVRはオーソドックスなコンパクトSUV、東南アジアで大ヒットしているコンパクトミニバンのエキスパンダーを両社で売るなら日産はファミリー向け、三菱はデリカD:5のようなSUVミニバンといった棲み分けは可能だ。
三菱自動車には夢が詰まった、良い時期があった。そして、根強いファンも少なからず存在する。全盛期の勢いを取り戻すことは難しいとしても、強い分野の技術を活用すれば、復活の道は切り開ける。今後の展開に期待したい。



コメント
コメントの使い方三菱には頑張って欲しい!!
三菱は、時代を先読みし過ぎる(パジェロ、シャリオ、RVR、トッポ…→そして他社にパクられる…)のが良い意味で、三菱らしさ笑!!
現在のラインナップが軽とSUVだけなのは寂しすぎるので、1.5〜2Lクラスのコンパクトカーをリリースし、ホットハッチも希望!
そして近い将来、再びWRCに参戦!
三菱はラリーが似合う!
頑張れ三菱!
皆さんが仰っておられる様に三菱車に安心感は無い。
むしろよくまだ残ってると感じる。自分だったら、選択肢
に入らない。
どのメーカーもそこそこ良い車は作っていると思う。ただリセールだの投資目的だので車を買っているユーザーが癌。購入から5年以上継続して乗っているデーターがあれば面白いかも。
今こそコンセプトZTを出すんだ
自明
大衆車 フリード と
こだわりsuv アウトランダー
の違いでしょ
どっちも、とんがっててユーザーには高評価
順位は関係ない 引き続き良いクルマを作ってくれるよう、ジャーナリストも業界を盛り上げてくださいね
リコール隠しは全てのメーカーがやっていた。他はリコール隠し要領書を持っていたとの報道が一部であったがほとんど放送されなかった。三菱の技術欲しさにハメられたのが全てである。現に先日のコンプライアンス違反の件はほとんど放送もされず、国民は現状維持。三菱は重厚で堅実な動きが特徴だったにも関わらず最先端(ちょっと速すぎ)で真似されてきた。ハメられなければもっと、今の評価は異なっていると思う。
三菱と言えば「リコール隠し」これ以外の印象が無い。また指摘されても執拗にリコールを拒否して被害を拡大させた悪質さは記憶に新しい。「空飛ぶタイヤ」は三菱ふそうが舞台で映画にすらされた。
フルラインナップターボ
かつてはGTOやランエボシリーズなど魅力的な車も有ったのに不正隠しやサービスキャンペーンと称した闇改修など変な所に力を注ぐ経営陣に問題の根本が有るね
戦車作る位の技術は有るんだから先ずは車がホントに好きな経営陣に一新したら?
今の三菱車を買いたいとは思わないなぁ
リコール隠し発覚の前、三菱ブランドに驕ってしまってた感あった。ディーラーでも殿様商売みたいな感じで車は2級品の作りでもういいやと思っていたところでリコール隠し発覚。もう三菱車を買うことはないなと思った。