自動車の購入は決して安い買い物ではない。それだけに車種の選定やオプション選びには悩んでしまう。今回は、クルマ購入や売却における悩みと、解決のヒントを紹介していくことにしたい。自分にとってお得になるのはどんな場合なのか? オプションや下取り、カテゴリーチョイスなど、多方面のお悩みを考えてみる!
文/長谷川 敦、写真/日産、トヨタ、マツダ、ホンダ、スズキ、スバル、Newspress UK、写真AC
【画像ギャラリー】「どっち?」と迷ったらのヒントを画像でチェック(14枚)画像ギャラリー値引きあり、納期短縮などを考慮すると…「メーカーオプションvsディーラーオプション」
新車を購入する際に“素”のままで注文するよりも、いくつかのオプションを最初から装着してしまったほうが、使い勝手が良くなり、結果的に得になるケースは多い。しかし、ここで迷ってしまうのが、メーカーオプションとディーラーオプションのどちらがいいのかということ。
まずはそれぞれの違いを見てみよう。メーカーオプションとは、自動車メーカーが設定しているオプションであり、クルマによってジャンルはさまざま。ナビやエアロパーツ、安全装置をはじめ、走りを重視する人のためのLSD(リミテッドスリップデフ)などがある。そんなメーカーオプションの特徴は、納車の前に工場で装着されるということだ。
ディーラーオプションはディーラー(販売店)が用意しているオプションを指す。こちらはメーカーから入荷した新車にディーラーが取り付けを行うものだ。フロアマットやサイドバイザーがディーラーオプションの代表だが、ナビやエアロに関してはディーラーオプションとして用意されていることも多い。
では、同じジャンルのオプションを装着する場合、メーカーオプションとディーラーオプションのどちらがお得なのか? それぞれメリット・デメリットはあるものの、ここはズバリ、ディーラーオプションを推したい。
メーカーオプションはメーカー(工場)出荷時に装着されるため、そのぶん納車の時間が延びたり、パーツの装着によって車重が増え、取得税額が上がってしまったりする。また、ナビなどのように、ある程度時間が経過するとアップデートが必要なアイテムでは、ディーラーより融通が利かない場合も多い。メーカー純正ナビはHDDタイプがほとんどで、このタイプは更新するのに工賃が必要なうえに、作業に時間がかかることもある。
その点ディーラーオプションは“後付け”なので、納車後に追加で装着することができ、メンテナンス依頼も容易だ。さらにディーラーオプションはディーラー側で値づけするため、購入の際に値引き交渉がしやすいという利点もある。支払い額を下げるのではなく、ディーラーオプションをサービスしてもらうといったケースも考えられる。いっぽうメーカーオプションはディーラーで価格を決められないため、契約交渉時の値引きはほぼ期待できない。
メーカーオプションでないと装着不可なアイテムを除くと、ディーラーオプションのほうが金額以外にも多くのメリットがあることが多い。
金額をとるか、ラクさをとるか? 「買い取りvs下取り」
新規にクルマを購入する場合、考えなくてはならないのは現在乗っているクルマをどうするか。クルマを増やすのではなく買い替える際には、現用車を処分する必要がある。よほどボロボロで廃車寸前でないかぎり、中古車として売却するのが一般的だ。
この場合、中古車を扱う業者に買い取ってもらう方法と、新たに購入するクルマの販売業者(ディーラー)に下取りしてもらう方法のふたつがある。
買い取りのメリットは、なるべく高い価格で売れること。複数の業者に見積もってもらい、もっとも高い買値を提示してくれた業者に売却すれば、たいていは下取りに出すより高額で売れる。しかし、査定の依頼や販売に必要な手続きなどをすべて自分でやらなくてはいけないのがデメリット。
これに対して下取りの場合、査定や下取りの手続きをディーラー側でやってくれるのが魅力。もちろん、そのディーラーから新規にクルマを購入するのが条件にはなるが、とにかくラクなのは間違いない。反面、下取り価格は買い取りより低くなることが多く、下取り代金はそのまま新車の支払いに充てられる。
買い取りの場合、売買契約が成立したら、相手側の指定日にクルマを引き渡さなくてはいけない。つまり、次にクルマを購入するにしても、状況によっては手元にクルマがない期間ができてしまう。その点下取りならば、新車の納入が遅れている場合などに引き渡しを待ってくれることが多い。
このように互いに一長一短がある買い取りと下取り。どちらがいいとは一概に言えないが、メーカー系のディーラーで新車を購入するのであれば、何かと融通の利く下取りのほうが便利。わずらわしい手続きが少なく済むのも、金額には代えられないメリットと言える。