【CHECK3】 ブレーキ性能が生死を分ける! その結果はいかに!?
ブレーキの性能は生死を分ける重要なもの。単に、そのクルマの持つ制動性能だけでなく、ペダルフィールやアクセルからの踏み換えやすさ、ミスのないペダルレイアウトも重要だ。幸い、今回の3車にペダルレイアウトで不満を感じることはなかった。
テストは100km/hからのフルブレーキを行い、停止するまでの距離を測定した。筆者はもともとF3000などをドライブしたレーサーなので、踏み換えの早さと踏力には自信がある。ブレーキペダルに触れた瞬間からMAXで蹴飛ばすように踏み込み、その瞬間からABSを作動させる。
各車2回のトライを行ったのだが、興味深いのは3車とも2回目のほうが停止距離を縮めていること。ディスクローターがある程度熱くなったほうがよく止まる、と理解するべきだが、ステップワゴンとセレナは1回目マスターバッグ(倍力装置)の立ち上がり遅れを感じた。
ノアが優秀なのは、減速中もリアに荷重がしっかり乗る姿勢を維持し、リアブレーキがしっかり仕事をしているから。ほか2台は多人数乗車に合わせた姿勢なのか、前のめりなのが停止距離の差となっているのではないだろうか。
■総括
3車とも燃費性能を重視した電動テクノロジーを持っているので、バッテリーなど補器類の室内スペースを配慮した配置レイアウトがハンドリングに及ぼす影響にも着目し、テストした。
最もバランスがとれていたのがステップワゴン。ステア操作によってクルマが左右に振られた時にロールを押さえ込むのではなく自然にロールさせるのだが、ロールの初期、中期、終期のロールスピードコントロールがとても上手にマネジメントされている。
狙ったラインをトレースさせるのにあまり深く考える必要はなく、素の感覚で操作できるところが評価できる。
ステップワゴンに近いフィーリングなのがノアで、サスペンションのフリクションのないストローク感は高評価。ブレーキ性能など1番重要なものをしっかり押さえている。多人数乗車にだけに偏ることもなく、1人乗りでドライブしていても安心感のあるセッティングだ。
セレナは加速感を含めたドライバビリティが1番スポーティで、チューニング系の乗り味を好むドライバーにはオススメ。トランスフォーマーを身に付けたような、クルマに守られているような安心感がある。
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