■ドイツ御三家に対する激しい情念!
では、おっさんはレクサスの何に乗るべきか。
もちろん何に乗ってもいいのだが、家康の中の家康、定番中の定番と言えば、ミドルセダンのISだ。サイズが手ごろで使い勝手は万能。レクサスはISを買っておけば間違いない!
しかもISは、2020年のビッグマイナーチェンジによって、ほとんどフルモデルチェンジ級の変更を受け、別物のクルマに生まれ変わった。見た目もぐっとカッコ良くなったが、走りの進化には心底驚かされた。その質感の高さは、「ついにレクサスがドイツ御三家に勝った!」と言えるほどのものだ。
レクサスの看板パワートレインは、トヨタ得意のハイブリッドだ。トヨタのハイブリッドというと、燃費はいいが走りはイマイチという印象もあるが、2.5Lハイブリッドシステムを積むIS300hに乗ると、パワートレインのことを忘れるほどシャシーが素晴らしく、それだけで十分ヨロコビに浸ることができる。
つまり、やっぱりハイブリッドにはダイレクト感が全然なくて、スポーティに走るには物足りないのだが、シャシーがあまりにもイイ! しなやかに路面をいなして乗り心地抜群なのに、ハンドリングがスポーティで思い通りのラインをトレースできるので、それだけで「ああ、いいクルマだなぁ」と満足してしまうのだ。
これがIS300の2Lターボ(245馬力)になると、いいエンジンを回すヨロコビも加わる。”たかが”2L 4気筒ターボだが、今や2L 4気筒ターボこそが、全世界のプレミアムブランドで主役を張っている。ISのエンジンは、トルクフルなのは言うまでもないが、高回転までブチ回した時の回転フィールもスムーズかつ適度に官能的。レクサスのエンジンもここまで来たか……と唸るしかない。燃費はあまり良くないですが。
3L V6自然吸気エンジン(318馬力)搭載のIS350ともなれば、贅沢の極み。今やこのクラスで、大排気量マルチリシンダー自然吸気エンジンを積むモデルは希少だ。それは、とろけるようなフィーリングの、古き良き余裕のパワー/トルクである。燃費は相当悪いですが。
レクサスのセダンには、ドイツ御三家に追いつき追い越せという激しい情念を感じる。ISは、その情念のカタマリとも言うべきスポーツセダンなのである! おっさんはレクサスISに乗れ!
■初期モデルが狙い目な理由
「んなこと言われても、高すぎるだろ!」
たしかに高い。レクサス車は全部高いので、ISも当然高い。一番安い素の「IS300」で480万円。一番高い「IS350Fスポーツ」の特別仕様車だと700万円に達する。おっさんは、レクサスに老後の貯えを投入してもいいのだろうか?
そう思ったら中古車だ。
レクサスISの登場は2013年。その当時試乗した私は、まったく魅力を感じなかった。サスペンションは妙に固すぎて路面からの突き上げが激しく、パワートレインもドイツ車に比べると明らかに退屈だった。当時はまだ、レクサスの「ドイツ御三家に追いつき追い越せ」という気持ちが空回りしていた。
がしかし、あれから9年を経たレクサスISの初期モデルは、固すぎたサスペンションがちょうどよくこなれて、今まさにスポーティで乗り心地抜群になっているのだ!
家康様のおっさんは、「9年落ちの中古車なんて大丈夫?」と思うかもしれない。しかしこれはレクサスだ。レクサスが信じられない者は、金(ゴールド)でも買うしかない。9年くらいでレクサスが故障しまくるはずがなかろう! レクサスを信じずに何を信じるのか!
現行型レクサスISの中古車を買うなら、中途半端に新しいタマよりも、むしろ古めのタマを狙うのが吉だろう。そのほうが、当時の固すぎたサスペンションがいい具合になじんでいる。家康の「最後まで生き残った者が勝つ!」という戦略である。レクサス車は大事に乗られた個体が多く、距離もあまり伸びていないから安心だ。
当初のISのパワーユニットは、4気筒2.5LとV6 3.5Lのガソリン、そして2.5Lのハイブリッドの三本立てだった。もちろんどれを選んでもいいが、相場的にはハイブリッドが一番高く、一番お安いのは最上級のIS350だ。大排気量で自動車税が高く、燃費も一番悪いが故の安値だが、それこそ中古車の醍醐味。9年落ちのIS350なら、200万円強で買うことができる。ハイブリッドだと300万円前後。この差は大きい。
安いお金で贅沢ができるのだから、狙いはIS350でキマリだ! おっさんは9年落ちのIS350に乗れ!
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コメント
コメントの使い方レクサスであろうとトヨタであろうとちゃんと乗らないと壊れます。逆に、日産だろうとマツダだろうとスズキだろうとアメ車だろうとちゃんと乗れば壊れません。半年点検でオイルを交換し車検はきちんとして変に弄らずに誠心誠意真心こめて乗る。
愛車と言うくらいですからそれくらいしなければなりません。