■まとめ:エンジンという内燃機関の回転数を自らコントロールできるヨロコビを噛みしめよう
かつて「ディーラーでポルシェを納車してから自宅にたどり着くまでにクラッチがなくなった」という都市伝説が囁かれたものだ。
ポルシェ、なかでも空冷エンジンが搭載されていた頃の911は、オルガン式のペダルやエンジンの吹け上がり、回転落ちの速さ、さらには左ハンドルなど・・・。一連の操作が独特だった。そのため、MT車に乗り慣れた人でも慣れが必要だった。
ティプトロニックというATが設定されたのはタイプ964にモデルチェンジしてからだ。それ以前はスポルトマチックという2ペダルMTが存在していた時期もあったが、911はMTしか選べない時代があった。
そのため、どうしてもポルシェ911に乗りたかったら、独特のMT操作を習得するか、泣く泣く諦めて他のモデルにするしかなかったのだ。
しかし、そんな話も完全に過去のものとなった。一部の特殊なモデルをのぞき、ポルシェのラインナップの大半がATや2ペダルMTを採用している。
他メーカーのハイパフォーマンスモデルも同様だ。そもそも、3ペダルMTを設定していないケースも少なくない。
そんななか、現行スープラにMT車が追加されたことは驚きでしかない。
搭載される6速トランスミッションは、兄弟車であるBMW Z4に設定されているMTをベースにスープラ用にリファインが施されているようだ。
日本国内はもちろんのこと、世界的にも販売台数が見込めない車種に対してMT車を設定したトヨタの英断には驚きと感謝しかない。
あくまでも杞憂であって欲しいことを願いつつ「純内燃機関+3ペダルMT車」という、絶滅危惧種をいまのうちに存分に味わっておきたいものだ。
【画像ギャラリー】わずか1%の少数派! ファミリーカーにも使える新車価格250万円以下の実用的なMT車5選(11枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方