■理由その2:全長約10cmの差が生み出す大きな違い
ボディ全長はステップワゴンがAIRで4,800mm(先代4,690mm)、スパーダで4,830mm(先代4,760mm)となっている。一方ノア・ヴォクシーは4,695mmだ。
ノア・ヴォクシーとの差は、AIRで10.5cm、スパーダで13.5cmである。わずかな差のように思うが、実際に運転してみるとステップワゴンの車両後端は遠く感じてしまう。特にバックで駐車する際には、数字以上の差を感じることとなる。
元は5ナンバーサイズミニバンだった両者。一時は、全幅の拡大が運転感覚に大きな変化をもたらすかと思われていたが、実際に乗ってみると感覚の変化は少ない。それ以上に、全長が長くなるほうが、運転感覚の違いが明瞭となった。
せっかくのミドルサイズミニバンだからこそ、サイズ感にはこだわってほしいところ。ファミリーユースで、狭い道での使用感を気にするユーザーも多い。僅か10cmの差が、販売では大きな差となって、ステップワゴンに襲い掛かるだろう。
■理由その3:様々なユーザーを拾い上げる姿勢
内装や操作系で気になるポイントもいくつかある。
ノア・ヴォクシーの目玉装備として取り上げられるのが「カラクリ」を上手く使ったフリーストップバックドア(標準装備)や、助手席側ユニバーサルステップ(33,000円)だ。電動技術を使わずにコストを抑え、日常の「困った」に対応する。
対するステップワゴンでは、電動サイドステップとなり、装着には21万円以上が必要だ。パワーバックドアの用意もあるが、オプション単体の価格が高い。
3列目シートを床下へ格納でき、室内は低床・低重心で十分な広さがあるステップワゴン。ボディサイズや走りは上級路線で十分に通用する。では、装備はどうかとなったとき、不十分さを感じるのは筆者だけではないだろう。
ノア・ヴォクシーでは「そこまで装備を求めるならアルファードもいいな」となるが、ステップワゴンに上位互換は無い。ステップワゴンこそ、中上位層を含めた幅広いユーザーを、もっと振り向かせなければならないのだ。
ステップワゴンは先代よりも、自らの立ち位置や狙いを分かりにくくしているように見える。もう少しターゲットを広く、ミニバンの王道を貫いても良かった。
今はノア・ヴォクシーの強さが際立つ。しかし、初代を意識した今回のステップワゴンは、必ず巻き返してくるはずだ。今後、力の差がどう変わっていくのか、注目していきたい。
【画像ギャラリー】ここまではいい勝負……だが!? ノア/ヴォクvsステップワゴンのガチ勝負はノア/ヴォク有利!?(18枚)画像ギャラリー
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