6000万円のスカイラインR34GT-Rと500万円から買えるR33GT-Rとの差 コスパ激しいR33GT-Rの魅力と不満点

■R34GT-Rの中古車が高騰した理由とR33GT-Rの中古車価格が上がらない理由

1999年登場の日産 スカイラインGT-R(R34)。※写真はVスペック
1999年登場の日産 スカイラインGT-R(R34)。※写真はVスペック

 ということは、R34型スカイラインGT-Rは最後の直列6気筒エンジンを搭載したスカイラインGT-Rという付加価値がここまでの人気となっていると言える。その一方で、R33型スカイラインGT-Rは人気が高くならない理由があると考えられる。

 1995年1月に登場したR33型スカイラインGT-Rは、搭載されているRB26型2.6L直列6気筒DOHCツインターボは、ECUの16ビット化をはじめ、吸排気系、圧縮比、フリクションロスの見直しや改良によって最高出力は280psのままだが、最大トルクは37.5kgmまでアップさせている。

 そして、ベース車のスカイライン同様にプラットフォームの共通化により先代のR32型から全長は+130mm、ホイールベースは105mm延長されリアシートの居住性を向上させた。このボディの大型化がR33スカイラインGT-Rが不人気と言われた最大の理由である。

 しかし大型化したボディは、補強が加えられ剛性はアップしている。さらにR32型スカイラインGT-Rではアンダーステア傾向が強かったが、R33型スカイラインGT-Rはボディの大型化に伴い、Vスペックには、リアデフにアクティブLSDを採用し、これに合わせて4WDシステムにアテーサE-TSプロを採用し、高い旋回性能を実現させている。

 これが、ニュルブルクリンク北コースで、7分59秒を叩き出し、R33型スカイラインGT-Rのキャッチコピーである「マイナス21秒のロマン」につながっているのだ。

 開発担当者だった渡邉衡三氏は「R32型スカイラインGT-Rはゼロベースで出てきたクルマなので、60点ぐらいでもインパクトは抜群。さらに性能を向上させたR33型GT-Rは、絶対的に見れば80点に点数は上がったとしてR32GT-Rの60点から20点しか上がっていないように見える」とインタビューで話してくれた。

 結局R34型スカイラインGT-Rは、ホイールベースを短くしているので、R33型のロングホイールベースはグランドツアラーとしての性能は高かったが、GT-Rに求められるサーキットでの速さには物足りない面があったと言えるのかも知れない。

■今後、R33GT-Rも値上がりする!?

 では今後R33型スカイラインGT-Rの中古車相場が値上がりするかと聞かれたら、答えはYESだ。R34型スカイラインGT-Rのように5000万円、6000万円という価格にはならないが、間違いなく値上がりする。

 その理由はJDMというカルチャーによって海外のユーザーが欲しがるからだ。中古車の平均価格はこの1年約680万~約750万円の間を上下しているし、中古車の価格帯も約450万~約1599万円で安定している。

 しかし、現在の円安が続けば海外ユーザーにとっては追い風になるので、再び海外流出が激しくなるはず。そうなるとR33型スカイラインGT-Rの中古車の平均価格も200万円くらいはすぐに上昇するはず。もう、こういった中古車の値落ちはほぼないと考えたほうが良いだろう。

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