【売れ筋国産SUVか? 憧れの高額輸入SUVか?】 日欧コンパクトSUV対決

■[計測テスト2] 後席、ラゲッジの広さは?

(TEXT/大音安弘)

 後席の広さをチェックしたテスターの身長は172cm。前席の位置は運転席でポジションを合わせて、後席の広さを比較。

●ボルボ XC40

足元は広く着座姿勢もいいが、頭上空間はやや狭い。ただ広い視界と温かみのあるデザインも相まって心地よい空間となっている

横幅と奥ゆきともに深く使い勝手に優れる。ラゲッジ容量は460〜最大1336Lを確保。さらに、トノボードが収まる広い床下もあり

トヨタ C-HR

クーペライクなスタイルとは裏腹に着座位置は思ったより自然。ただ頭上スペースは狭く、175cm以上の人には厳しいかも

あのスタイルゆえ、最も幅が小さいが、ラゲッジ容量は318〜最大1112Lを確保。高さのある荷物はガラスハッチとの干渉に注意すべし

マツダ CX-5

最も着座姿勢がいいうえ、足元及び頭上スペースに最もゆとりがある。窓も大きいので解放感も高く、4台のなかで最も快適といえる

ラゲッジ容量が505LとX1に負けるが、最大寸法はすべてトップ。後席も3分割可倒式で便利なのに、最大容量の公表がないのが残念

BMW X1

ファミリーカーにも使えるバランスのいい後席空間を確保。足元及び頭上スペースは、大人に不満を感じさせないものを備えている

実は、標準時のラゲッジ容量が550Lと4車中最も大きい。3分割式の可倒式後席を備え、最大1550Lまで拡大可能と優秀だ

■結論:走りはXC40 だが実用面ではCX-5がリード!

(TEXT/鈴木直也)

 走りの評価ではボルボXC40の評価が高かったが、実用面ではどうだろう?

 デザインと走りのよさがSUVの魅力とはいっても、家族持ちにとってはそれだけでは購入のハードルが高い。

 そういう意味では、いちばん無難な選択はCX-5だろう。2.2Lディーゼルは走りのよさだけではなく燃費性能も優秀で、今回のテストでもC-HRに次ぐ数値を記録している。また、大柄なボディを利して居住性やラゲッッジスペースも他を一歩リード。ファミリーカーとしての使い勝手もよく考えられている。

 ただ、女性は使い勝手ばかりではなく、デザインに対する注文も多い。そういう意味で奥様受けするのは、スカンジナビアデザインの明るくルーミーなインテリア。この辺もXC40の大きな魅力と言っていい。走りで旦那を魅了し、おしゃれなインテリアで奥様を攻略する。ボルボXC40の商品戦略は実によく考えられていると思う。

ボルボXC40は走りも実用性もレベルが高い。日本車のCX-5もファミリーカー的よさでリード!

 対して、同じ輸入車でもBMW X1はブラック基調のインテリアがいかにもオトコっぽい。ブランド力はBMWのほうが上手だが、彼女や奥さんをこの2車に座らせて「どっちが好き?」と聞いたら、たぶんかなりの確率でボルボが勝つのではないかと思う。

 C-HRのインテリアは、かなりタイトで包まれ感が強いのが特徴だ。クーペっぽいルーフラインを優先した結果だからしかたないが、後席の座り心地もやや圧迫感があって、ファミリーカーというよりは2+2のスポーティカー的なパッケージングといえる。

 結果的に、C-HRの販売は絶好調なんだから、使い勝手よりスタイリングという商品戦略は正解。やはり、SUVは機能より感性に訴える商品だということを、C-HRの成功は証明していると思う。

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