教習所に通うモンスター生徒の存在は?
教習所に通うモンスター生徒は、”いる”というのが現実です。
自動車学校に入校する生徒は、運転免許を取得するために数十万円という大金を支払い教習を受けます。そのため、「金を払ってるのに・・・」や「偉そうなことばっかり・・・」、「上から目線・・・」と思っている生徒は、少なからずいるというのが実情です。
いっぽう、「危険を伴う乗り物を運転するための免許を取得しに来ているのだから、厳しくされることがあるのも当然」と考えている生徒もいます。
筆者が教習所で指導していたときは、「厳しいことを言ってしまいますが・・・」と前置きをしてから運転の指摘をしたり、「車は人の命を乗せるものでもあるけど、奪うものでもあるということを理解しておく必要がありますよ」という話をしたりして、生徒が感情的にならないようにしていました。
実際に教習所で指導していてわかったことは、生徒が運転免許制度がある理由を理解している場合、モンスター生徒になることがないということです。しかし、運転免許制度がある理由を理解していなかったり、大金を払っているのだから厳しくされるのはおかしいと思ったりしている人は、モンスター生徒になる可能性が高いといえます。
教官も生徒も人! 感情があるからこそモンスターになる
教習する教官や教習所に通う生徒は、どちらも感情を持つ”人”です。そのため、言葉ひとつで感情が動き、”人”から”モンスター”に豹変することがあります。モンスター教官やモンスター生徒は、人としての感情があるからこそ生まれてしまうといえるでしょう。
●実際にあったモンスターの話
筆者が教習所で指導員をしていたとき、モンスターの実話がいくつかありました。例えば、「○○先生はどうしても無理なので、二度と担当しないようにしてもらえますか?」や「○○先生と○○先生はヤダ!」というように、指導員の名前を出して拒否指名されることがあります。
生徒から拒否指名があったとき、筆者が働いていた教習所では、生徒の意見を優先していました。つまり、拒否指名された指導員は、拒否指名をした生徒を二度と指導することがなかったのです。
このような拒否指名があったときの対応は、教習所ごとに異なるでしょう。そのため、これから教習所に通おうと考えている方は、指導員の指名ができる学校かどうか確かめておくことをおすすめします。指導員の指名ができれば、自分自身が気持ち良く教習所に通うことができるでしょう。
そのほかにも、「○○先生と○○先生と○○先生だけに教えてもらいたい!」という要望もありました。指導員を数名指名した生徒に詳しく事情を聞いてみると、「ほかの先生がイヤというわけではないのですが、自分との相性が良くて、理解しやすいのが指名した3人の先生だったので、お願いしました」というのです。このように、生徒自身が教官との相性を見極めて指名するというケースもありました。
●モンスターにならない方がお互いのため
教習所で指導している教官と教習所に通う生徒は、どちらも立派な大人です。そのため、感情的になったり、どうしても納得できなかったりすることがあるのは仕方ないといえるでしょう。
教官も生徒も気持ち良く教習を進めるためには、お互いにモンスターにならないことが大切です。お互いにモンスターにならないためには、運転免許制度の意味などを的確に説明できる教官の指導力、命に関わる乗り物を動かしているという生徒の理解力が重要だといえるでしょう。
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