■中高年が嫌がるのは開発姿勢!? 一番重要なのは視認性!
これらの安全装備の充実は好ましいが、視界の優れた運転のしやすいクルマを開発することも大切だ。今は軽自動車を除くと、乗用車の大半が3ナンバーサイズに肥大化した。しかも全般的にサイドウインドーの下端が高く、運転席に座ると、車両に潜り込んだ感覚になる。
外観に躍動感を与えるため、サイドウインドーの下端を後ろに向けて持ち上げたり、ボディ後方のピラー(柱)を太くしたクルマも多い。これでは後方がマトモに見えず、縦列駐車や車庫入れがしにくい。
安全運転には、車両の周囲に潜む危険を早期に発見することも大切だ。後方を映すモニターでは、左右から急接近する自転車などを見落としやすく、ドライバーの視覚で直接確認したい。そもそもモニターはインパネなどに装着されるから、これに頼ると、前方を向きながら後退することになってしまう。
「モニターが装着されているから、後方が見えにくくても大丈夫」という開発姿勢は間違いだが、そのように感じさせるクルマが急増している。優れた視界を確保した上で、外観をカッコ良く見せるのが、本当の工業デザインだ。中高年齢層は、ここにも疑問を感じて、安全装備に対しても懐疑的になってしまう。
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