CX-5 スイスポ セレナ ロードスター… モデル末期でも何のその! 長く愛されている商品力抜群モデル4台とその理由

■手抜きのないボディ、シャシー、強力なエンジンが魅力/スズキ スイフトスポーツ(2017年9月デビュー)

スズキ スイフトスポーツ。イメージカラーは初代から一貫してイエロー。世界一黄色が似合うクルマだ!
スズキ スイフトスポーツ。イメージカラーは初代から一貫してイエロー。世界一黄色が似合うクルマだ!

 スイフトスポーツを走らせて驚かされるのは、その充実したパワー感。

 電子制御によって過給圧をコントロールしているためパワーがタレず、ターボパワーが高回転まで持続することだ。

 もはやエントリー向けのコンパクトスポーツとは言い難いほど力強い加速を見せてくれるのだが、受け止めるシャシーがしっかりしているので、案外あっさりとパワーを受け止めくれる。クルマが暴れて手を焼くようなことがない。

 ESP(横滑り防止装置)の介入タイミングがいいことも扱いやすい印象を強めている。

 国内ではコンパクトスポーツというと華奢な骨格のクルマがほとんどといっていいが、スイフトスポーツに関しては、ベースのスイフトの出来が世界水準であり、さらにリアのトーションビームサスペンションを専用設計するなど、驚くほどお金がかかっている。

 欧州のコンパクトスポーツをライバルに据え、操縦性からしっかり作り込まれた手抜きのないボディ、シャシー、そして強力なエンジンがスイフトの魅力になっているのだ。

 次期型スイフトスポーツは、現行同様に1.4Lターボを継承するが、モーターを組み合わせた48Vハイブリッドを採用して来年春の登場が有力。

(TEXT/斎藤 聡)

●年別販売台数
・2017年:3702台
・2018年:1万4331台
・2019年:1万1223台
・2020年:1万1777台
・2021年:1万1235台
・2022年:4582台


●主な改良履歴
・2018年7月…全方位カメラパッケージの内容充実
・2020年2月…安全装備の充実。従来オプションだったブラインドスポットモニター、標識認識機能、リアクロストラフィックアラートを標準装備化。ツートーンルーフ仕様をオプション新設


●価格情報
・新車価格:201万7400~208万8900円
・中古車相場:109万〜348.8万円

■デザインから機能まで「ミニバンらしさ」が凝縮/日産セレナ(2016年7月デビュー)

 セレナはミニバンの主力車種で、現行型は2016年に発売された。

 今年末から2023年にかけて次期型に切り替わるが、現行型の販売も堅調だ。今年1〜4月の平均登録台数は約5400台/月で、日産ではノートの次に多い。軽自動車のルークスと同等になる。

 今でも高い人気を保つ理由は、デザインから機能まで、ミニバンらしさが濃厚なことだ。

 全高は1875mmと高く、サイドウィンドウの面積も広い。外観からはミニバンらしい明るい雰囲気が感じられ、車内の広さも強調されている。

 したがって居住性も快適。標準ボディは5ナンバーだが、3ナンバー専用車になった新型ノア&ヴォクシーやステップワゴンより、広々感がある。

 身長170cmの大人6名が乗車して、2列目に座る乗員の膝先空間を握りコブシ2つ分に調節すると、3列目に座る乗員の膝先空間は、ノア&ヴォクシーが握りコブシ1つ半、ステップワゴンは2つ、セレナは2つ半で最も広い。

 セレナの2Lエンジン車はシートアレンジも多彩で、2列目の中央部分を1列目の間までスライドさせると、収納設備として使える。この時には2列目の間が通路になり、車内の移動もしやすい。

 リアゲートにも特徴があり、上側だけを開閉できる。縦列駐車をした時など、ボディの後ろ側が狭い場所でも、荷物を出し入れできる。

 e-POWERも人気で、ハイブリッドながら、電気自動車の一種のように宣伝されて人気を集めた。

 このほかセレナが好調な理由として、日産の売れ筋車種が少ないことも挙げられる。今はエクストレイルがモデル末期(※記事執筆当時)だから、ミドルサイズ以上で販売が好調な車種はセレナだけだ。需要が集中して登録台数を増やした。

 セレナの台数に、ノート、ノートオーラ、キックス、ルークス、デイズを加えると、国内で売られる日産車の70%以上を占める。セレナは国内の稼ぎ頭だから、販売促進にも力が入り高い売れゆきを保っている。

 今年9月に一新される予定だったが、登場は来年春が有力。進化したe-POWER、プロパイロット2.0にアップデートして魅力倍増させて登場。

(TEXT/渡辺陽一郎)

●年別販売台数
・2016年:3万2025台
・2017年:8万4398台
・2018年:6万4541台
・2019年:9万2956台
・2020年:6万8648台
・2021年:5万8954台
・2022年:2万1773台

●主な改良履歴
・2017年11月…セレナNISMOを追加
・2018年2月…シリーズハイブリッドのe-POWER追加
・2019年8月…マイナーチェンジでデザインを一新
・2020年8月…インテリジェントFCWを全車標準化

●価格情報
・新車価格:267万8500~407万5500円
・中古車相場:83万〜431万円

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