■誰も悪くない、責められないキャンセル
長年懇意にしていただいたオーナーさんが突然病気になり、クルマに乗れなくなってしまったケースは、如何ともしがたかった。新型車が出るのをとても楽しみにしていてくれて、一番に契約をしていただいた方の突然の連絡に、胸が苦しくなったのを今でも覚えている。
また、仲良くしていたお客様が、突然の職場の異動でキャンセルというケースもあった。約2年に渡り、「そろそろ異動だから買い替えたいけど、もう少し乗ることにするよ」と話し続けていたお客様。
さすがにクルマもくたびれてきて、2年待っても異動する気配が無かったことから、買い替えに踏み切っていただいたのだが、注文書を取り交わした直後に、海外への異動が決まってしまった。
「さすがにクルマは持っていけない」とキャンセルの申し出があったが、このようなキャンセルでは、誰も責めることが出来ない。仕方のないキャンセルも存在する。
■実際に体験したことは無いが、周囲ではこんなことも
筆者の経験ではないのだが、同僚や他店舗でのキャンセル話は、販売店の中ですぐに広まるものだ。
営業マンが大目玉を食らうのは、クルマの色やメーカーオプションの変更に伴うキャンセルである。事前のやり取りや確認で防げるキャンセルでは、営業マンにペナルティが課される可能性もあるのだ。
最終確認として、注文内容を営業マンが読み上げると思うが、その時は注文者側も、これ以降の変更は出来ないと認識し、しっかりと確認作業を行ってほしい。
また、注文者都合のとんでもない理由もあった。
「家族(妻)にクルマを買うことを言っていなかった(結果、反対されたのでキャンセル)」とか、「他のクルマに目移りしてしまった」という内容では、しっかりと注文した側にも責任を取ってもらう必要が出てくるだろう。
また、登録直前になって「支払うお金が無くなった」というとんでもない話も聞いたことがある。
このようなキャンセル理由でも、販売店では営業マンの聞き取り不足(コミュニケーション不足)を疑われてしまう。キャンセルを受けたことがある営業マンであればあるほど、契約には慎重になるものだ。
営業マンが、少し不躾な質問をしてきても、ユーザーの皆さんには素直にありのままを答えていただきたい。一つの質問が、重大なキャンセルを未然に防ぐことにもなるのである。
* * *
最後に、クルマの契約では基本的にキャンセルをするのは難しいと認識していただきたい。特に個人的な感情や嗜好の変化で、簡単に注文を取りやめることはできないから、契約は慎重に行うべきだ。
それでもやむを得ないキャンセルは発生することがある。困った時には、まず担当営業マンへ直接相談し、協議した上で最善の方法を見出し、解決してほしい。
【画像ギャラリー】契約成立までヒヤヒヤ!? クルマの注文の「やむにやまれぬ」キャンセルと「そりゃないよ」キャンセル(6枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方