お得感のある価格設定の新型クラウンクロスオーバー!! しかし残価設定ローンの残価率が低い……

■先代で下がったリセールバリューはどうなる?

先陣を切って2022年9月1日に発売となったトヨタ クラウンクロスオーバー
先陣を切って2022年9月1日に発売となったトヨタ クラウンクロスオーバー

 ただし気になるのが、現在新車購入時に利用の多い残価設定ローンでの残価率。

 先代クラウンは販売実績がいまひとつだった。“卵が先か鶏が先か”といった部分はまだはっきり追及できていないが、そのせいで残価率がカローラセダン並みになったことも大きいと見ている(クラウンのリセールバリューが下がっていることを意味する)。

 現行クラウンよりも高額傾向で、しかも高級セダンで売っていたクラウンがカローラセダン並みの残価率では、新車購入も投資的な視野で見ている富裕層のなかにはクラウンから遠ざかっていく人も多いだろう。

 ましてや同じ店ではリセールバリューが鉄板的に高いアルファードがある。「それならアルファードへ」となるのは自然な流れである(本校執筆段階ではアルファードはオーダーストップなので選択肢にはならないが)。

 人気の低いセダンではなく、人気の高いSUV的なキャラクターを持つモデルがメインとなる新型クラウンでは、リセールバリューのアップを期待してもいいのだが……。

 本稿執筆段階ではメーカーウエブサイトにあるローンシミュレーションにて、残価設定ローンを60回払いで試算し、最終回の支払額(つまり残価据置額)を、割賦元金で割ってみると(暫定残価率のような数字になる)、新型クラウンは約24%となった。

 カローラセダンが同じ約24%となり、以下ヴォクシー約31%、アルファードは約55%、ハリアーは約34%となっており、新型になってもカローラ並みの残価率となっている。

 筆者はこのシミュレーションでの残価率(あくまで筆者の試算となるが)は全体でみると若干低めなものとの印象を強く持っている。実際販売現場で新型クラウンの残価率を聞くと30%強ぐらいで推移しているとのことなので、それでもカローラセダン並み(販売現場で聞くと30%強)のレベルで落ち着いている。

 つまり、現状ではすでに海外への中古車輸出でも人気の高いアルファードには、残価率では差がついており、当然中古車相場でもこの傾向は反映されていくだろう。割安になったとはいえ、売れ筋であれこれつければ総額で600万円近くになってしまう。

 よほど新型クラウンにゾッコンで惚れていない限りは、アルファードやハリアーが商談時にチラついてくることになるだろう。新型クラウンを販売していく上での強敵は身内のトヨタ車にいたのである。

 キャラクターを大胆に変更したことで、いままでのクラウンの前例は否定されることになる。残価率の低迷もいったんはクリアされることになるだろうが、今度は“未知の存在”となり、本格的な新型クラウンの残価率が固まっていくのは、新型の売れ行き次第となる。

 そのため、4車種すべてが発売になるまでは、海外での中古車人気なども含めて(海外での人気が日本の中古車相場を左右するともいわれている)“模様眺め”でリセールバリューは“低空傾向”で推移する可能性も十分はらんでいる。

 とにかくアルファードやハリアーよりは、リセールバリュー面では“ギャンブル的”判断で、新型クラウンの購入を決断する日々が当分続くことになるだろう。

【画像ギャラリー】新型クラウンは割安なのか!? 売りやすくなった新型トヨタ クラウンと気になる残価率(11枚)画像ギャラリー

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