20年ぶりの円安水準の今、20年前の2002年と現在の新車は価格がどのくらい変わった!?

■消費税額と価格表示に注意!

 注意したいのは消費増税だ。前述のとおり、20年前の税率は5%で今は10%だから、本体価格が150万円のコンパクトカーでも、消費税を含めた総額表示であれば7万5000円の上乗せになる。

 しかも商品の価格が今の総額表示に変わったのは2014年だ。それ以前は本体価格の表示だったから、初代フィットWの価格も、本体価格の126万円で記憶されている。そうなると、今のクルマはますます高く感じられる。消費増税と総額表示への変更も、今のクルマの割高感に大きな影響を与えているわけだ。

 そして、初代フィットWと現行型のホームを比べると、安全装備と運転支援機能が大幅に充実した。現行型には衝突被害軽減ブレーキや車間距離を自動制御できるクルーズコントロールなどを含んだホンダセンシング、横滑り防止装置、サイド&カーテンエアバッグ、LEDヘッドランプなどが加わる。

 初代フィットもサイドエアバッグをオプション設定していたが、この価格は4万5000円(当時の5%の消費税を加えると4万7250円)であった。今の相場は、サイドエアバッグにカーテンエアバッグを加えて4万5000円から6万円だから、サイドエアバッグだけで4万5000円という価格は今よりも高かった。

 このほか現行フィットのホームには、初代が装着していなかったアイドリングストップ、電子制御パーキングブレーキ、リアディスクブレーキ、スマートキーシステムなども標準装着されている。

 これらを価格に換算すると、総額では約40万円に達する。さらに現行型は内装の質も向上させた。価格に換算しにくい走行安定性、乗り心地、衝突安全性、燃費性能の進化を除いても、現行フィットは初代に約50万円の価値を加えている。

 価格は前述のとおり、初代フィットWが当時の5%の消費税を含んで132万3000円、現行1.3ホームは176万7700円だから、44万4700円の値上げだ。現行型に加わった価値は、少なくとも50万円だから、フィットは初代よりも現行型が割安と判断できる。

■ミニバンの新車価格の推移

2022年登場の現行型ホンダ ステップワゴン
2022年登場の現行型ホンダ ステップワゴン

 ミニバンは2022年5月に新型が発売されたステップワゴンを取り上げたい。20年前には、2001年に登場した2代目が売られていた。2002年には1カ月平均で約6000台が登録され、今のフリードやアルファードと同等の台数になる。

 2代目ステップワゴンは直列4気筒2Lエンジンを搭載して、4種類のグレードを用意した。お買い得グレードのIは、価格が209万8000円で、当時の5%の消費税を加えると220万2900円であった。

 新型ステップワゴンに直列4気筒1.5Lターボを搭載するエアーの価格は299万8600円だから、2代目Iの消費税を加えた220万2900円に比べて79万5700円高い。比率に換算すると、新型エアーの価格は、2代目Iの1.4倍だ。

 その代わり新型で加わった装備も多い。

 新型には、衝突被害軽減ブレーキ、運転支援機能、横滑り防止装置、サイド&カーテンエアバッグ、LEDヘッドランプ、アイドリングストップ、パーキングセンサーシステム、フルオートエアコンの左右独立温度調節機能、スマートキー、右側スライドドアの電動機能、16インチアルミホイールなどが加わる。

 新型はエンジンも1.5Lターボで、ATは無段変速式のCVTだから、2Lのノーマルエンジンに4速ATを組み合わせた2代目に比べると、動力性能と燃費が両方ともに向上した。

 これらをすべて合計すると、新型に加わった価値は約70万円だ。2代目と比べた時の価格差になる79万5700円には達しないが、新型はシートの座り心地を含めた居住性、走行安定性、乗り心地などの基本的な機能も幅広く向上した。そこまで含めれば、新型ステップワゴンは20年前よりも買い得になっている。

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