■SUVの新車価格の推移
SUVではハリアーを挙げたい。20年前には初代ハリアーが売られ、直列4気筒2.4Lエンジンを搭載する2WDのGパッケージが262万5000円であった。当時の5%の消費税を加えると275万6250円だ。
現行ハリアーには、直列4気筒2Lエンジンを搭載するベーシックなSが299万円で用意されている。装備は現行ハリアーのなかではシンプルだが、衝突被害軽減ブレーキ、運転支援機能、横滑り防止装置、サイド&カーテンエアバッグ、ディスプレイオーディオなどは、すべて標準装着されている。
現行型の排気量が初代に比べて400cc減ったという違いはあるが、20年前の消費税を含めたGの総額表示が275万6250円、現行型のSが299万円なら、機能や装備の充実を考えると現行型が買い得だ。
■スポーツカーの新車価格の推移
スポーツカーでは、2002年まで2代目スープラが売られていた。その後、スープラは扱われていなかったが、2019年に現行型が復活している。
2002年に生産を終えた2代目スープラRZは、直列6気筒3Lターボを搭載して、価格は448万円であった。当時の5%の消費税を加えると470万4000円だ。
現行スープラにも直列6気筒3LターボのRZがあり、価格は731万3000円だ。20年前のRZと総額表示で比べると、現行型は260万9000円高く、比率に換算すると1.6倍に達する。
現行スープラは、BMW Z4と基本部分が共通化され、生産工場は外部に委託されている。トヨタブランド車だが、輸入車に近い位置付けだから、機能や装備に対して価格が割高だ。この影響で販売も低迷しており、認知度の高いスポーツカーなのに、1カ月の登録台数は60~70台に留まる。
スープラのような例外もあるが、基本的には20年前と今のクルマを比べると、大半の車種が値上げに見合う内容を備える。価格を20年前の1.2~1.4倍に高めながら、安全装備、運転支援機能、環境性能を中心に価格差以上の価値を加えた。
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ただし、冒頭で触れたとおり、平均所得は高まっていない。それなのに安全性などの向上に伴って、クルマは値上げされた。20年前は200万円前後でステップワゴンのようなミニバンを買えたが、今はフィットなどのコンパクトカーだ。その結果、小さなクルマに乗り替えるダウンサイジングが進んだというワケだ。
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