劣化を防ぐ、あるいは劣化したボディ塗装の補修方法とは?
紫外線対策として有効なのがボディのコーティングだ。納車時の上塗りクリアーもコーティングの役割を果たしているが、それが劣化してしまう前に、表面をさらにコートすることによって劣化の進行を抑えられる。
コーティングとは、単純に言えばボディ表面にコート剤を塗り込むことで、市販のコート剤を使用すればオーナー自身でも行える。ただし、表面をツヤツヤにして、さらに紫外線対策を万全にしたいのなら、まずは洗車を行った後にボディ表面の細かいキズや鉄粉の除去を行い、コンパウンドで磨いた後に下地処理剤やコート剤を塗ることになるので仕事量は多い。忙しい人は業者に依頼してしまうのもアリだ。
コーティングによって、劣化の進行を防ぐとともにキズなども隠すことができる。さすがに剥がれた塗装は塗り直しが必要だが、特に鉄粉や砂などによる小さなキズには効果的だ。
こまめな洗車も塗装劣化の進行を抑えるには有効と言える。ただし洗車の後にはボディに残った水滴もきれいに拭き取っておくのが肝心。先に説明したように、水のミネラル分は塗装にダメージを与える可能性があるのだ。
オート洗車では難しいが、自分の手で洗車をすれば思わぬキズや塗装の劣化も発見しやすい。これがもう一つの洗車のメリット。愛車の状態をきちんと把握しておくことは、塗装のみならずクルマを扱ううえでの基本でもある。
ボディカバーは効果的。でも万能じゃない?
紫外線をシャットダウンできるガレージや屋根付き駐車場にクルマを保管するのが最善の紫外線対策ではあるが、住宅事情もあってなかなかそうはいかない。そこでクルマ全体をすっぽり覆ってしまうカバーをかけるという方法もある。
カバーの便利な点は、紫外線だけでなく雨風や砂などから愛車を守れること。もちろんカバーをかける作業は面倒で、クルマを使用する際に外したカバーをどこに置いておくのかという問題もある。そして、こと塗装保護に関しては万能に思えるカバーにも意外な弱点はある。
駐車場が舗装されている場合は問題ないが、未舗装路での駐車の場合、地面から上がってくる湿気がカバーの中にこもってクルマの各部を錆びさせてしまう可能性もある。頻繁にそのクルマを使う人なら大丈夫だが、長期間駐車しているような場合は時々カバーを外して車体を“虫干し”してあげるとよいだろう。
究極の劣化予防はボディカラー選びにある!?
最後に紹介する塗装劣化防止法は、ボディカラーのチョイスだ。実はボディの色によって劣化の進行度合いには違いがある。一般的には白いボディが劣化しにくいと言われていて、これに近いベージュやシルバーも劣化には強い。
白系ボディが紫外線に強いのはその紫外線を吸収しにくいから。これなら紫外線による塗料の分子結合破壊も起こりにくく、塗装が長持ちする。
反対に最も劣化しやすいカラーは黒。黒が光を吸収しやすい色だというのは感覚的にわかると思うが、それは紫外線も同様。黒のボディは白とは逆に紫外線による分子結合の破壊が進行しやすく、温度が上がりやすい点も状態の維持には不利となる。
メタリック系のカラーも、表面のクリアーコートが剥がれてしまうと一気に劣化が進行する。黒やダークメタリックのクルマに乗っている人は要注意だ。
意外なことに、赤系統の色も劣化しやすい。見た目の印象とは違って赤は光を反射しにくく、当然ながら紫外線の吸収量も多い。これが原因で表面にヒビ割れができてしまうこともある。紫などの赤に近い色でも同じことが言える。
青系の色は比較的色褪せなどの劣化が少ない。青系、特に明るい青は紫外線を反射するのがその理由だ。
ここまで読んでくれた人は「新たにクルマを買うなら白を選ぶしかないか?」と思ってしまうかもしれないが、今回説明したように、塗装の劣化を防ぐ方法や補修法はいくつもある。せっかくクルマを購入するなら、やはりお気に入りのカラーにするのが王道だ。それがもし劣化しやすい色だったら、こまめなケアを行って快適な愛車生活を送ってほしい。
【画像ギャラリー】ボディカラーの劣化を防ぐ手立てを講じるためのヒントをチェック!(16枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方