2018年の登場から4年目となるアルピーヌA110がマイナーチェンジを実施した。「ウリ」の軽さはそのままに、今回はエンジンを大幅に進化。
さらには自分好みの仕様が作れるプログラムも始まった。そんなアルピーヌA110に自動車評論家 岡本幸一郎が試乗。競合となるケイマンとの比較も実施!
※本稿は2022年7月のものです
文/岡本幸一郎、写真/ベストカー編集部 ほか、撮影/奥隅圭之
初出:『ベストカー』2022年8月10日号
■今回のマイナーチェンジ 最大のポイントはエンジン
日本上陸から4年、アルピーヌA110に初めて大きな変更があった。
最大のポイントはエンジンだ。これまでも走り系のA110Sに搭載されていた標準比40ps増となる292psの高性能版がパワーアップして300psになり、最大トルクも2kgm向上した。
加えて、標準車と同じ快適な足まわりで高性能版エンジンを搭載したというA110GTが新たに加わったことも注目だ。
さらに、多彩に用意された選択肢から好みの仕様に仕立てることができる受注生産プログラムも始まったほか、推奨オプションを組み合わせた「エッセンシャルパッケージ」も新たに設定された。
A110Sには専用のエアロキットもオプションで用意された。
また、アップルカープレイやアンドロイドオートに対応した新しいマルチメディアシステムの採用も歓迎だ。
■これほど高性能でありながら、こんなに身軽
新しい高性能版エンジンは標準版に比べて2000rpm以上の全域でパワーもトルクも強化したというとおり、標準版でも充分にパワフルなところ、さらに全域で力強さが上乗せされていて、吹け上がりも軽やか。
トップエンド付近でも伸びやかに加速して、より気持ちよ〜く走れるようになった。
組み合わされる7速DCTのダイレクト感のある走りも歯切れのよいシフトチェンジも快感だ。
スポーツモードを選択すると、より刺激的な特性になるとともに、エキゾーストによる演出も楽しめる。
アルミを96%も用いて車両重量をわずか1110kgに抑えたことで実現した軽快なフットワークもA110ならでは。
これほど高性能でありながら、こんなに身軽というギャップがまたたまらない。
ミドシップの強みでリアがドシッと安定していてトラクションが高く、フロントの慣性が小さいので回頭性もバツグン。行きたい方向に自由自在に曲がれる感覚がある。
これには足まわりのよさも効いている。セグメント唯一という前後ダブルウィッシュボーン式サスペンションに加えて、ラリーで培った技術を駆使したハイドロリック・コンプレッション・ストップが荒れた路面でもしなやかに路面を捉えてくれる感覚がある。
ワインディングでは、そのよさをより実感させる、乗り心地がよくて動きが掴みやすい「A110 GT」の走りが好印象だ。
かたや足まわりを強化された「A110S」は、よりシャープなハンドリングとちょっとスパルタンな走りが持ち味。
もっとキレイな路面で限界性能を引き出して走るシチュエーションのほうが向いていそうだ。
貴重なミドシップで、このサイズと性能で、しかもこんなにスタイリッシュという、1台に際立つ魅力を凝縮したクルマ。
そんなA110だが、日本はこれまで世界で4番目に売れている国らしく、販売網も拡充中だ。
確かにこれなら欲しくなるのも無理はない、とひさびさに乗ってあらためて痛感した次第。
そして今回の進化は、すでにA110の魅力を知っている人にほど“刺さる”のではないかと思う。
コメント
コメントの使い方うむ、アルピーヌらしいと思えない。
ファイバーボディでは無い、RRでも無い、MTの設定が無い。
JAXでV6ターボを買ってルマンに乗り換えて、R5Aを買ってさらにルノースポールスピダーを買おうとしたら予約終了で買えなくて、
古いA110を2回乗り換えたアルピーヌ乗りのおっさんだけど何故か買う気が起きない。
何年かすればアルピーヌらしく思えるかもと思ったがまるでダメ。
何故なんだろう?