EV販売急増で大ピンチ! 早くもCEV補助金が10月末で終了見込み! 経産省に聞いた「今後の予定はどうなる?」

■予算額は本当に10月末でなくなるのか? なくなったらどうなる? 担当者を直撃

最も安いB6の2WD。車両本体価格は539万円。経産省のCEV補助金は85万円。2022年7月末でB6の2WDは人気のため受注停止となっている
最も安いB6の2WD。車両本体価格は539万円。経産省のCEV補助金は85万円。2022年7月末でB6の2WDは人気のため受注停止となっている

 まず、補助金給付事業を実際に行なっている次世代自動車振興センターの担当者にお話を伺いました。

筆者:このプレスリリースが出た背景に、残高についての問い合わせが増えたためとありますが、その要因は日産サクラなどEVの新車種の発表、発売があったからということでしょうか?

担当者:正確な背景は把握していませんが、やはりEVの新車種の発売があるなどで補助金そのものへの関心が高まるなか、さまざまな事情で納車に時間がかかり、補助金の申請の必要条件であるナンバープレート取得が遅くなってしまったら補助金がもらえなくなるのではないか、というご心配をされる方が増えているのが背景にあるようです。

筆者:7月25日時点での予算の残高が約177億円で、これが10月末には全て予算消化されるということですので、1カ月あたり60億円弱の補助金が支払われる計算になります。しかし手元の計算では、昨年12月からの1カ月あたりの補助金支払額は多い月でも50億円弱、平均ではひと月あたり30億円強程度です。

 10月末に予算が終了するという見通しは、補助金対象車の月当たりの新車登録台数がこれまでの2倍近くになることを前提にしていることになり、やや保守的で予算がなくなるタイミングの見通しが若干前倒しになっている、もしくは急激にEVなどの売り上げが伸びることを想定しているように思えるのですが、いかがでしょうか?

担当者:この見通しについては、経産省による市場の見通しなど、さまざまな仮定を置いて計算したものですので、これが保守的かどうかはお答えしかねます。

筆者:仮に10月末に予算がなくなった後、追加の補助金が予算計上されたりするものでしょうか?

担当者:現状では、今年度はすでに出されている補正予算と合わせてCEV補助金が交付されていますので今年度(2022年4~2023年3月)のCEV補助金はこれで終了と聞いております。追加の補助金が予算計上されるかどうかについては、国会での補正予算などに関わる話なので、わたくしどもがコメントする立場にはございません。

 ということでした。

 続いて経済産業省の担当者にもお話を伺いました。

筆者:10月末までの3カ月で177億円の補助金が消化されるという見通しは、経産省としてEVなど対象となるクリーンエネルギー自動車の売上が急増するとお考えであるということでしょうか? あるいは保守的な見積もりをお示しされたということでしょうか?

担当者:経産省としても自動車メーカーに販売状況を確認したり、登録状況をヒアリングしたりしながら一定の想定を置いて、今回の申請受付終了見込み時期を公表しました。ご承知の通り、現在非常に見通しを立てるのがむずかしい状況で、プレスリリースにもあるように今後の申請状況によって予算がなくなるタイミングが前後することが考えられ、10月末というのはあくまでも現状におけるひとつの目安とお考えください。

筆者:仮に10月末に予算がなくなった後はどうなるのでしょうか。アメリカではEVの購入者には税額控除が行われるなど、国を挙げて支援していますが、日本で仮に補助金による次世代自動車購入支援がなくなると、国にとって良くないと思うのですが。

担当者:やはり補正予算などについては国会が決める話ですし、政府全体としてどうするかもまだ決まっていない状況なので、現時点ではなにもお答えできません。

 つまり、補助金の対象となるクルマの購入を検討している人からの問い合わせがかなり増えていて、クルマの納期や生産供給能力に不確実性が高いなか、少しでも有益な情報提供をするために見通しを伝える最大限の努力をするなかで、「状況は変わりうるが、現時点では10月末にもCEV補助金の予算残高がなくなる見込み」という見通しを示した、ということでした。

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