高級感のあるマツダCX-60筆頭! クラウンクロスオーバーのライバル車たち
まずセダンボディのSUVという位置付けが独特だ。過去を振り返ると、1980年代に生産されていたアメリカン・モーターズのイーグルは、悪路向けSUVのシャシーに、セダンやコンバーチブルのボディを組み合わせた。北米仕様のスバルアウトバックも、セダンを用意した時期がある。
今もシトロエンC4・XのようなセダンボディとSUVの融合は見られるが、いずれも少数派で、日本国内では売られていない。つまりボディタイプとしては、クラウンクロスオーバーのライバル車は不在ともいえるのだ。それでも実際に選ぶときは、上級SUVとの選択に迷うだろう。
クラウンクロスオーバーのパワーユニットは、ハイブリッドのみで、エンジンは直列4気筒2.5Lと2.4Lターボがある。売れ筋は価格が求めやすい2.5Lだ。販売の主力になる買い得グレードは、ハンズフリーパワートランクリッドなどを装着するGアドバンスト(価格は510万円)になる。
そうなるとライバル車の筆頭はマツダCX-60だ。新開発された後輪駆動のプラットフォームを使う上級SUVで、人気グレードは、直列6気筒3.3Lクリーンディーゼルターボにマイルドハイブリッドを組み合わせる4WDのXDハイブリッドエクスクルーシブスポーツ/エクスクルーシブモダン(価格は両グレードとも505万4500円)になる。
CX-60のクリーンディーゼルターボは、実用回転域で5Lのガソリンエンジンに匹敵する駆動力を発生させ、WLTCモード燃費は21.1km/Lだ。クラウンクロスオーバーGアドバンストは22.4km/Lだが、ディーゼルは単価の安い軽油を使う。そのためにCX-60の燃料代は、クラウンクロスオーバーよりも安く、なおかつ動力性能は上まわる。
またCX-60のXDハイブリッドエクスクルーシブスポーツとエクスクルーシブモダンは内装も上質だ。そうなるとクラウンクロスオーバーよりも買い得度が強い。
上級SUVでは、三菱アウトランダーもライバル車だ。クラウンクロスオーバーやCX-60はハイブリッド車だが、アウトランダーは充電可能なプラグインハイブリッドになる。リチウムイオン電池の容量は、電気自動車のeKクロスEVと同様の20kWhで、1回の充電により99kmを走行できる。
直列4気筒2.4Lエンジンは、主に発電を担当して、駆動は前後に搭載されたモーターが行う。モーターの動力性能に余裕があり、4輪の駆動力制御も綿密だから、峠道でも良く曲がってスポーティな走りを味わえる。
アウトランダーで最も買い得なグレードは、本革シートなどを装着する最上級のP(532万700円)だ。荷室に3列目の補助席も備わり、乗車定員は7名になる。価格はクラウンクロスオーバーGアドバンストよりも約22万円高いが、プラグインハイブリッドなどの機能や装備を考えると、アウトランダーが割安だ。
以上のようにクラウンクロスオーバーは、機能や装備と価格をライバル車と比べると、割高になってしまう。そうなった理由は、クラウンクロスオーバーにはセダンボディのSUVという特徴があり、後輪駆動セダンだった先代型の価格を継承しているからだ。
後輪駆動のプラットフォームはコストダウンが難しく、なおかつセダンはSUVよりも競争関係が穏やかだから、割安感を追求しない。その結果、先代クラウンに2.5Lハイブリッドを搭載した中級のハイブリッドRSは、後輪駆動の2WDが531万9000円、4WDは553万9000円に達していた。新型のGアドバンストは、価格が510万円に達するが、それでも先代型に比べれば割安になっている。
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