マツダが社運を賭けて実用化したロータリーエンジン
ドイツで生まれたヴァンケル型ロータリーエンジンは、NSU(今日のアウディにつながる)によって実用化された。市販もされたが、大量生産されるまでには至らず手を引いている。そして、社運をかけ実用化と量産化へ向け開発に力を注いだのが日本のマツダだった。
コスモスポーツを経て、ロータリークーペ、ルーチェ、カペラ、サバンナといった車種へ展開し、10Aにはじまった2ローターエンジンから順次排気量を増やし、高出力化を行い、最終的には3ローターの20B型へ至る。3ローターエンジンを搭載したのは、ユーノスコスモだった。
レースでは、1991年に4ローターのエンジンを搭載したマツダ787が、フランスのル・マン24時間レースで日本の自動車メーカーとして初めて勝利を収め、歴史に名を残すことになった。
いっぽう、ロータリーエンジンは、燃焼室形状がレシプロエンジンの円形と異なり長方形になることで、燃焼効率が悪く、燃費で苦戦してきた。RX-8での搭載を最後に、マツダのエンジンはSKYACTIVに譲るのである。
ロータリーエンジンは、燃焼温度が低いことにより、水素エンジンには適しているといわれた。また、EVの走行距離を延ばす発電機として、レンジエクステンダーの動力に活かせる可能性を持つ。MX-30のEVに追加搭載される計画である。ロータリーエンジンは、レシプロエンジンのような上下運動がないため、静かで滑らかな走行が特徴のEVに利用しても、振動や騒音を損なわずに済むことが期待されている。
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