■やっぱこれにも……現行ジムニーにないのは納期問題か!?
このように歴代ジムニーには代々設定がなされてきたソフトトップモデル。ではなぜ現行型には存在していないのだろうか?
考えられる要因として言えるのは、長納期の問題だろう。現在のように半導体不足やコロナ禍による物流の停滞が発生する以前から現行型ジムニーは1年を超える納期となっており、注文をさばくのに精一杯という状況。新たなボディタイプを追加して販売するほどのリソースが残っていないということが考えられる。
また、すでに注文してから納車まで長く待っているユーザーがいる中で、追加モデルとしてソフトトップモデルをリリースしてしまうと、納車待ちのユーザーから「ソフトトップモデルが出るならそっちがよかった」と落胆させてしまうというのもメーカーとしては好ましくない展開と言えるだろう。
■今や需要がない可能性大……ラングラーも限定モデルのみの展開
そしてもうひとつの大きな理由としては、そもそもソフトトップモデルの需要がそこまで高くない、ということが挙げられる。もちろんコアなジムニーファンの中にはソフトトップモデルをこよなく愛するユーザーが一定数存在しており、中にはボディ後部をカットして幌仕様としているツワモノもいるほど。
しかし、オンロード性能も高めて従来のコアなユーザー以外も積極的に取り込もうとしている現行型ジムニーにおいて、ソフトトップモデルが登場したとしても、そこまでの販売台数が見込めないと判断し、現在までもソフトトップモデルが存在していないと考えられるのだ。
そもそも従来のジムニーのソフトトップモデルは、ルーフを開け放ったときの解放感は何物にも代えがたいものがある。
その一方で、ソフトトップを外すにはホックやジッパーをひとつひとつ外していく必要があり、一般的なオープンカーのようにボタン一つで電動開閉であったり、3ステップ程度でオープンエアモータリングが楽しめるものとは一線を画している。
また、当然ながら耐候性や耐久性もメタルトップモデルに比べると劣っているため、なかなかライトなユーザーにはオススメしにくいという点も、現行型ジムニーにソフトトップモデルが設定されない大きな理由となっているのだろう。
実際のところ、ボディサイズこそ違うがジムニーと同様に本格的なSUVとなっているジープのラングラーにおいても、過去にラインナップされていたソフトトップモデルは現行型ではカタログモデルとしては存在せず、台数限定の特別仕様車として販売されるに留まっていることからも感じ取ることができるだろう(一応メタルトップも脱着可能とはなっているが)。
このように残念ながら現時点ではソフトトップモデルが登場する可能性は低そうな現行型ジムニー。
ただ、一部のスペシャルショップでは現行型をベースにルーフをカットしたモデルを作成しているところもあり(ラダーフレームのため車検もOK)、どうしても屋根のない現行型が欲しい人はそういったところに相談してみるというのもひとつの手段となりそうだ。
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