トヨタ ランドクルーザーといえば日本を代表する本格クロカンだが、その弟分的な存在としてランドクルーザープラドが存在する。どちらも高価格帯ではあるが、やはり本家本元のランクルに比べれば手の届きそうなプライスでもある。
そして巷では、プラドはランクルを買えない人が選ぶクルマであるとの声がある。実際コレはどうなのか!?
文/佐々木 亘、写真/ベストカーWEB編集部、TOYOTA
■プラドの満足度はハンパない! ランクルをあきらめたワケじゃない人多数
車両本体価格で比べると、ランクルは510万円~800万円、プラドは367.6万円~554.3万円と開きがある。ボディサイズやエンジンの大きさなども、圧倒的にランクルの方が大きく、プラドが弟分とされる意味が分からなくはない。
価格の高いランクルに比べ、最上級グレードでも総支払が600万円台に収まるプラドが安く見える。しかし、実際に600万円あれば、ランクルのエントリーモデルも可能だ。
もしもランクルに強い憧れがあり、妥協の末にプラドを選ぶというのなら、600万円もの大金を出すだろうか。それならばグレードを下げてでも、憧れのクルマに乗ったほうが満足できると思うのだが。
実際にプラドを所有するユーザーの、プラドに対する満足度は非常に高い。筆者の体感では、クルマに対する満足度で見ると、ランクルを選び所有したユーザーよりも、高い数値が出ていると思う。
安直に高い・安いでクルマに優劣をつけるのは、正しい判断を阻害する。プラドを選んだユーザーたちの、プラドを選ぶ理由を聞けば、ランクルを諦めた人たちとは言い難くなくなるはずだ。
■イメージ逆転! 今やランクルは高級にプラドは本格オフローダーに大変身
プラドというサブネームは、ポルトガル語で平原や草原を指す。プラドはランドクルーザー70系をベースに、オフロードの中でも比較的穏やかな道を走ることを目的に開発されたクルマなのだ。
本格クロカンのランドクルーザーに対して、ライトユースのプラドという構図が、1990年代までは強く残っていたが、2002年の3代目登場で、プラドの潮目が大きく変わった。
当時のランクルは100系、シグナスも発売され実用的なクロスカントリーSUVから、高級車の素性を強く持つプレミアムSUVへと進化している。こうした路線を3代目プラドも受け継いではいるが、祖先となる70系の遺伝子は、プラドにしっかりと引き継がれた。
次第に日本でのランドクルーザーは、オンロードを走る高級車となり、プラドにはオフロードイメージが強く残る形となる。陸の王者は舗装路のプレミアムへイメージを変えていき、平原のイメージで作られたプラドが、本格クロカンの能力を開放していったのだ。
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