現行の国内版オデッセイは2021年12月に生産終了と発表された。しかし、その後の登録推移を追うと2022年1月1382台と比較的堅調に売れていたのが2月1039台、3月1259台と1000台ラインを維持していた。その後は4月609台、5月482台、6月238台、そして7月130台と着実に減っている。
つまり、2021年12月の生産終了から、7カ月あまり経っているのにもかかわらず、ディーラーに在庫車として残って販売され続けている、というわけだ。
では8月末現在、オデッセイはまだ買えるのか? そしてオデッセイの代わりに、中国なので販売されているエリシオンが日本で販売される噂があるが、本当のところどうなのか、流通ジャーナリストの遠藤徹氏が解説する。
文/遠藤 徹
写真/ベストカーweb編集部、ホンダ
■2021年末生産終了のホンダ オデッセイがまだ買える!?
現行モデルのオデッセイは、2022年12月いっぱいで生産を終了し、それ以降はメーカーのモータープールや販売店が確保して、在庫一掃セールに入っていたので、販売台数が激減状態になっているのは当然といえる。
この8月下旬現在で首都圏のホンダカーズ店に在庫状況を聞いてみたが、販売店は売りきった店がほとんどで買えない状況にあるが、地方のディーラーなどを中心に根気よく探せば見つかるかもしれない。
ホンダは、5月下旬にフルモデルチェンジした新型ステップワゴンの最上級グレードである「プレミアムライン」が実質オデッセイの後継車種(グレード)として、日本のオデッセイの歴史に幕を引かせたい、というのが本音だ。
ところが多くのホンダカーズ店の営業担当者によると「オデッセイの消滅を惜しむ声は多い。ステップワゴンユーザーにとっても、上級ミニバンの登場を待ち望む声が多い。その旨はメーカーのホンダに伝えられており、2~3年後に復活する可能性がある」といった声が囁かれている。
ホンダのこれまでのミニバンインラインナップでは最上級のラグジュアリーミニバンではオデッセイのほか、ボックス型の「エリシオン」が存在し、両モデルが販売されていた時代もあった。
その後、エリシオンはアルファード/ヴェルファイア、エルグランドに差を付けられ、生産中止に追い込まれた。オデッセイも然り、モデル廃止に追い込まれた。トヨタはボックス型のアルファード/ヴェルファイアを継続し、背の低い乗用車タイプミニバンのエスティマを廃止した。
トヨタが乗用タイプミニバンの市場はもうないと判断し、エスティマを延命させたが(13年)、結局は廃止にしてしまった。それに対し、ホンダは、背の低さがウリだったオデッセイを改め、現行モデルで少し背を高くして、エリシオンとオデッセイのいいところ取りという苦肉の策を取ったが、身を結ぶことはなかった。
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