これがスズキ車の心意気!「粋な意地を見せたスズキ車」列伝

■スズキならではの「フルハイブリッド車」

生産終了から約7カ月の空白期間を経て2022年4月に復活したスズキ エスクード。復活にあたってフルハイブリッドとなった
生産終了から約7カ月の空白期間を経て2022年4月に復活したスズキ エスクード。復活にあたってフルハイブリッドとなった

 スズキのハイブリッドはオルタネーターを拡大した簡易なマイルドハイブリッドのイメージが強い(これをメーカーがハイブリッドと謳うのはいかがなものかとも思うが)。

 2016年に先代ソリオに追加されたものからフルハイブリッドといえるタイプもあり、現行スイフトや現行エスクードの最新モデルにも展開している。

 スズキのフルハイブリッドは先代ソリオと現行スイフトの場合1.2LエンジンとMTを自動化した5速AGSの間に13.6psという小型モーターを配置するという、かつてのホンダIMAに似た方式だ。

 スイフトのフルハイブリッドは乗ってみるとAGSのシフトアップの際の失速感をモーターが補いスムーズな加速フィールを持つほか、実用燃費も23.0km/LのWLTCモード燃費に近いなど、悪いクルマではない。

 しかし、先代ソリオとスイフトのフルハイブリッドが売れているという話は聞かず、ソリオからは2020年にフルモデルチェンジの際にラインナップ落ちしている。

 スズキのフルハイブリッドが売れない理由は、現行スイフトであればマイルドハイブリッドとの実質30万円強の差額に対し、マイルドハイブリッドの燃費も良好なので燃費向上という意味での費用対効果が薄いというのが大きい。

 しかし、復活した現行エスクードのフルハイブリッドは4WDというのを加味するとしても297万円と安くはないものの、エンジンが1.5Lに変更されたうえで高効率化も施されているようなのに加え、モーターが33.4psにパワーアップされ、AGSも6速となるなど、改良やいわゆる最適化が行われている。

 それだけに今後スズキのフルハイブリッドが大化けするということもあるのかもしれない。

■まとめ

 スズキはつまずいてしまったクルマでもすぐには絶版とせず、それなりの期間販売を継続するというのは、もう少し改良を行って欲しい感もあるにせよ、そのクルマを買ってくれたユーザーへの心証やいい意味での意地のようなものとして立派なことである(もっと深い事情もあるのかもしれないが)。

 継続していれば追い風が吹くなど花開く場合もあるだけに、苦しいなかでも頑張って継続しているスズキ車には暖かい声援を送りたい。

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