【HONDA対決】 N-VAN → フリード+
●フリード+…190万円〜274万8200円
●N-VAN…126万7920円〜145万440円 ※+STYLEは除く
(TEXT/渡辺陽一郎)
N-VANは軽乗用車のN-BOXをベースに開発された軽商用バンだ。後席と同様に助手席も小さく畳めるから、運転席以外はすべて平らな荷室になる。左側のピラー(柱)をドアに埋め込んだから、前後ともに開くと開口幅が1580mmに広がり、畳んだ助手席部分から荷物を出し入れできる。専用のボードを使うと、運転席まで平らになって車内の就寝も可能だ。
フリードプラスはミニバンのフリードをベースにした2列シート車で車内が広い。専用のボードで平らにすると車中泊もできる。
つまり同じように使えるが、N-VANの小さく畳める助手席と後席は、シートとしては座り心地が悪い。重い荷物の積載に対応した足回りは、乗り心地が硬い。外観がN-BOXに似ていて乗用車風と錯覚するが、実際はプロユースの商用車だ。乗用車のフリードプラスとは、対象とする用途とクルマ作りがまったく違う。
【下克上度判定…5点】
ホビーユースも見据えた点で共通する部分はあるが、積載性最重視のN-VANに、乗用モデルのフリードの相手をさせるのは、さすがに荷が重すぎたか?
【MAZDA対決】 CX-5 vs CX-8
●CX-8…289万4400円〜446万400円
●CX-5…257万400円〜388万2600円
(TEXT/国沢光宏)
CX-8はCX-5のストレッチじゃなく上級にあたるCX-9の派生モデルだといわれる。とはいえマツダの場合、CX-5もCX-9も基本的に同じプラットフォームなので、剛性などの考え方が若干違うということなんだろう。
したがってCX-5もCX-8も乗り比べたら“ほぼ”同じ。絶対的な車重あるせいか、気持ちCX-8のほうが静かなくらいだ。
半面、同じエンジンだから車重軽いほうが負荷少なく、アクセルワークに対する反応よい。したがって両車を比べたら勝ったり負けたり。どちらが一方的によいということにならないです。
つまりこの2車の価格差は質感や車格からきているのでなく、単に2列シートか3列シートか、ということ。CX-8のドッシリした重厚感を好む人もいるだろうし、CX-5のカジュアルさを好む人だって多いだろう。乗り比べると、下克上というより同じクラスの違うジャンルという評価が妥当かと。
【下克上度判定…50点】
外見も似ているので、本当に3列シートが必要か2列で充分かで選べばヨシ。
【MITSUBISHI対決】 デリカD:5 → パジェロ
●パジェロ…339万1200円〜495万1800円
●デリカD:5…240万8400円〜405万5400円
(TEXT/渡辺陽一郎)
デリカD:5のプラットフォームは先代アウトランダーと共通だ。前輪駆動をベースにした4WDは多板クラッチ式だが、ロックモードを備える。4WD仕様の最低地上高は210mmだから、悪路のデコボコも乗り越えやすい。エンジンは2.2Lクリーンディーゼルが注目される。
パジェロは本格的なオフロードSUVだ。後輪駆動をベースにしたセンターデフ式4WDを備え、悪路で駆動力を高める副変速機も備える。最低地上高は225mmに達して、エンジンは3.2Lのクリーンディーゼルを選べる。
デリカD:5の4WDも走破力はSUV並みだが、パジェロはさらに優れているから下克上は成立しない。
しかし、走破力以外は、ほぼすべてデリカが勝る。ミニバンだから居住性と積載性は圧勝で、床が少し低いから乗降性もいい。舗装路における安定性もデリカD:5が勝る。そういう面では、下克上は成立するといえる。
【下克上度判定…88点】
国内にSUVは数多いが、SUV並みの走破力を持つミニバンとなるとデリカD:5しかない。比べるもののない孤高の存在だ。
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