軽商用車は自動車税が軽乗用車の半額!
さて、軽乗用車として実績あるスペーシアの派生モデルであるスペーシア ベースが4ナンバーの軽商用車となったのには経済的なメリットがあるからだろう。その代表的な要素が維持費のメリット、具体的には軽自動車税の税率の違いだ。
ご存知のように軽自動車の税金は登録車とは異なる体系となっている。月割りはなく、年額でみると圧倒的に安い税額となっている。軽乗用車で1万800円というのは、リッターカーでも2万5000円となる現在の税制から見るとうらやましい限りだ。
しかし、軽商用車はさらに税額が安くなっているのだ。なんと、その税額は年間5000円。いまや原付バイクの税額が2000円となっていることを考えると、破格の安さだ。税金にコスパという言葉を使うのは適切ではないかもしれないが、維持費もコスパのファクターとして捉えると軽商用車というのは賢い選択になる。
ちなみに、ダイハツは従来モデルでは5ナンバーだったアトレーを、現行モデルから4ナンバーとしているが、それも維持費メリットを考えてのことなのは間違いないだろう(※)。
スペーシア ベースのようにFFプラットフォームで商用車の条件である後席と荷室の関係を実現しようと思うと、どうしてもプアでタイトな後席になりがちだが、アトレーやエブリイバンといった1BOXタイプであれば、それなりに実用的な後席スペースを確保することができるため、4名乗車のできるクルマでありながら税金を抑えるということが可能になる。
(※)ダイハツ・アトレーはもともとハイゼットの乗用版として登場しましたが、過去にも貨物仕様を発売したことはあります(編集部注)
軽商用車の初回車検までの期間は2年
このように軽商用車のコストメリットは大きいものだが、軽乗用車との違いとして見落としてはいけないのが初回車検までの期間だろう。軽乗用車では新車時から初回車検までの期間は3年となっているが、軽商用車の場合は2年と短い。ただし、それ以降の継続車検の期間が2年となるのは軽乗用車と同じだ。登録車の商用車では毎年車検なので、この点でも軽商用車は有利となっている。
軽商用全般のデメリットというわけではないが、商用車というのは多くの荷物を積むことが前提となっている。軽商用車は規格として350kgが最大積載量となるが、350kgを積んだときにもしっかりと走れるようにサスペンションが固められていることが多い。そのため空荷で走っていると乗り心地が悪いと感じることもある。
その点において、スペーシア ベースでは、あえて最大積載量を200kgに抑えることで乗り心地とのバランスをとっているという。
蛇足ながら、排ガスの基準も軽乗用車と軽商用車では異なっている。具体的には、COの排出量について軽乗用車が1.15g/kmなのに対して軽商用車では4.02g/kmと甘くなっている(HCやNOxの規制値は同じ)。だからといって軽商用車の排ガスが臭く感じたりするということはないが、規格としての違いはこうした細かい部分にも存在しているのだった。
【画像ギャラリー】後席の使い勝手がハンパない! 魅惑の4ナンバー軽自動車たち(18枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方