人はなぜセンチュリーに甘く クラウンにちょっと厳しいのか?


■古いユーザーはバッサリいかないと無理だ(諸星陽一)

■諸星陽一の評価点…クラウン:90点/センチュリー:100点

●クラウンをどう評価する?

ユーザー年齢を下げるべく、孤軍奮闘しているクラウン。事実上、国産車にはライバルは存在せず、輸入車(といっても敵はドイツ車に限定されるだろう)を相手にジャパニーズセダンがどこまで盛り返せるかが勝負どころだ。

江戸時代の鎖国政策がいまだに影響しているのか? 日本人は輸入品のブランド力に弱い。使いにくくても、維持費が高くてもガイシャの魅力にやられっぱなしだ。

しかし、純粋にクルマだけを見た場合、クラウンは実に理にかなったクルマだ。第一にそのパッケージングがある。横幅1800mmを守り続け、日本のインフラに対応し続けるところは拍手喝采。郊外の住宅街に住んで、大型のショッピングセンターにしか行かないなら、でっかいクルマもいいだろうが、いろいろな場所に行くなら、ボディサイズは重要だ。

残念なのは、今までのユーザーを捨て切れなかったこと。若返りたいなら古いユーザーはバッサリいかないと無理だ。

●では、センチュリーは?

センチュリーは天上天下唯我独尊。このクルマにライバルは存在しない。センチュリーにしようか? メルセデスにしようか? という選択肢はない。日本の政治家はメルセデスベンツに乗って国会には行けないだろう。自民党ならなおさらだ。

センチュリーはそういうクルマだ。しかし、そういうクルマがこの国にもあるというのは誇るべきことで、これぞ日本の宝と言っていい。

惜しむべきはフルモデルチェンジで従来のV型12気筒がV8ハイブリッドとなってしまったこと。もちろん、時代の流れではV8ハイブリッドだろう。しかしそんな時代だからこそ、トップのトップはとんでもないパワーユニットであって欲しかった。

いまや日本車のなかで本物のショーファードリブン(運転手付きのクルマ)は、センチュリーしか存在しない。リアシートがここまで快適な国産車は、唯一なのだ。

クラウンもGグレードには後席電動リクライニングが標準になるなど、ショーファーカーとしての実力も高い

センチュリーはファブリックシートが標準、本革シートはオプション。本杢加飾は写真のブラウンとシルバーの2種類

■なかにはこんな評価をする人も……(渡辺陽一郎)

■渡辺陽一郎の評価点…クラウン:75点/センチュリー:65点

ここまでクラウンの採点は55点、85点、90点と幅があるが、センチュリーは全員100点! やはり、センチュリーには何か見えない力が働いているのか。

と、ここで担当ハタと思いついた。そういえばセンチュリーに一家言ある人がいたな、と。渡辺陽一郎である。

「えっ? クラウンとセンチュリーの点数? うーん、クラウンが75点でセンチュリーが65点かな」

出ましたセンチュリーのほうが低い点数! で、なぜなのか?

「こう言っちゃなんだけど、新型センチュリーは旧型レクサスLSのお下がりみたいなもんですよ。確かに運転しても後席に乗っても快適。だから旧型の価格(約1250万円)から据え置きなら納得ですが、700万円くらい上がっているわけです。それは点数も低くなりますよね」

たとえセンチュリーが相手だろうと、軽自動車のコスパを語るのと同じスタンス。ブレないぜ、この男!

「クラウンも走りがよくなったのはわかるけど、欧州車っぽくなって、それならベンツを買えばいいじゃないというクルマになっちゃった。時速100kmまでで快適なクルマを目指してほしかった」

とこちらも辛口。名実ともに日本を代表する両車だけに、愛ある指摘をしておきたいということなのだろう。本人、全然そんなこと言ってないけど、そんな感じでフォローしておく。

クラウン……最上級グレードはシステム出力359psのV6、3.5Lハイブリッドを搭載。このハイパワーでもJC08モードが17.8〜18.0km/Lというのは驚異的だ。新開発TNGAプラットフォームで走行性能は一新されている

センチュリー……V8、5Lハイブリッドはシステム出力431psの大パワー。先代のV12エンジンの消滅は残念だが、今の時代、このカテゴリーでもエコ性能は無視できない。滑らかなサスペンションは4輪マルチリンクだ

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