■なかにはこんな評価をする人も……(渡辺陽一郎)
■渡辺陽一郎の評価点…クラウン:75点/センチュリー:65点
ここまでクラウンの採点は55点、85点、90点と幅があるが、センチュリーは全員100点! やはり、センチュリーには何か見えない力が働いているのか。
と、ここで担当ハタと思いついた。そういえばセンチュリーに一家言ある人がいたな、と。渡辺陽一郎である。
「えっ? クラウンとセンチュリーの点数? うーん、クラウンが75点でセンチュリーが65点かな」
出ましたセンチュリーのほうが低い点数! で、なぜなのか?
「こう言っちゃなんだけど、新型センチュリーは旧型レクサスLSのお下がりみたいなもんですよ。確かに運転しても後席に乗っても快適。だから旧型の価格(約1250万円)から据え置きなら納得ですが、700万円くらい上がっているわけです。それは点数も低くなりますよね」
たとえセンチュリーが相手だろうと、軽自動車のコスパを語るのと同じスタンス。ブレないぜ、この男!
「クラウンも走りがよくなったのはわかるけど、欧州車っぽくなって、それならベンツを買えばいいじゃないというクルマになっちゃった。時速100kmまでで快適なクルマを目指してほしかった」
とこちらも辛口。名実ともに日本を代表する両車だけに、愛ある指摘をしておきたいということなのだろう。本人、全然そんなこと言ってないけど、そんな感じでフォローしておく。

クラウン……最上級グレードはシステム出力359psのV6、3.5Lハイブリッドを搭載。このハイパワーでもJC08モードが17.8〜18.0km/Lというのは驚異的だ。新開発TNGAプラットフォームで走行性能は一新されている

センチュリー……V8、5Lハイブリッドはシステム出力431psの大パワー。先代のV12エンジンの消滅は残念だが、今の時代、このカテゴリーでもエコ性能は無視できない。滑らかなサスペンションは4輪マルチリンクだ
■このナゾの分析と結論
結局、クラウンは製品でセンチュリーは伝統工芸品みたいなものなのだろう。そこにあるだけでありがたいもの。いわば名工が作った清水焼だ。
当然のことながら、クラウンはその域には達していない。センチュリーが清水焼ならクラウンは三越で売られている高級陶器のようなものだろうか。競合品がたくさんあるのでどうしてもほかと比べてしまう。また、個人的な好みにも左右される。
でも、クルマとしてはそれが健全。好き嫌いを論じられるほうが楽しいとも言える。

センチュリー伝統の「鳳凰エンブレム」の金型は、職人が手作業で1カ月半かけて削りだしている
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