■検証ポイントをおさらい
Aオートやカープレイは、通信機能やGPS機能はスマホのものを使う。つまり、スマホにおけるGPS機能の弱点がそのまま、Aオートやカープレイの弱点となるわけだ。
カーナビは本体に地図を搭載しているが、スマホは搭載していない。そのため、使用中は必要に応じてインターネットから地図をダウンロードする。走行中は高速で移動しているため、地図のダウンロードが移動に追いつくのか確認する必要がある。
現在位置が正しく表示されるかも心配だ。スマホの地図アプリを使うと、たまに現在位置が大きくズレることがある。これはカーナビにもある問題だが、Aオートやカープレイだとどの程度問題になるか確認しておきたい。
ルート提案内容も、カーナビとAオート、カープレイで違うはずだ。実際に目的地までにかかった時間も気になるところだ。
今回は、講談社ビーシーから東京スカイツリーまでの約10kmを「Aオート」「カープレイ」「社用車のカーナビ」を使って実際に走行して検証した。社用車カーナビを5点として、最後に採点を行う。
〈検証ポイント〉
①ルートと実際の走行時間
②走行中の使い勝手
③GPS(位置情報)
④その他使い勝手
■検証① ルートと実際の走行時間
それぞれの道順提案結果を地図にまとめた。
Aオートは東京ドームと後楽園の間を通る交通量の少ないルート。カープレイは外堀通りを通る「名所ルート」、東京ドームや浅草松坂屋など観光地のド真ん中を行く。カーナビはこの2つの複合ルートという具合だ。
Aオートのグーグルマップは渋滞情報も持っているが、カープレイのマップは渋滞情報を持っていない。なので、渋滞などお構いなしに最短ルートを提案してきたのだ。ただし、カープレイの案内したルートは観光名所が見られて、走っていて楽しかったことは付け加えておく。言問橋(ことといばし)から見るスカイツリーは大迫力だった。
■検証② 走行中の使い勝手
ルート案内中の画面はカーナビが使いやすい。走行車線のガイドや、交差点手前で詳細が表示される機能はやはり便利で、これに慣れ親しんでいるとAオートやカープレイは不便に感じると思う。これら機能は複雑な交差点などで特に威力を発揮する。Aオートにも走行車線のガイド機能はあるが、表示が小さくてわかりにくい。ただ、ないならないでなんとかなることもわかった。
Aオートはマップ上で常に別ルートを表示し、現在のルートとの時間差を表示してくれる。渋滞回避の判断やルートを間違えた際に便利だ。
目的地の入力は今回の検証ではAオートとカープレイのほうが音声入力ができるぶん使いやすかった。音声入力のあるカーナビであればこの差はなくなるだろう。
■検証③ GPS(位置情報)
エクリプスクロスはディスプレイオーディオにもGPSを搭載しており、スマホのGPSと連携するそうだ。Aオートやカープレイ搭載車の殆どにGPSが搭載されており、スマホと連携するか車載側のGPSのみ使用かの対応がなされるようだ。
Aオート、カープレイともに現在地の誤認識は少なく、誤認識の際もあり得ない場所は指さなかった。アルゴリズムの違いか、Aオートのほうが誤認識が多かったほか、正面方向がフラつきルート再探索を繰り返した。カープレイのほうが落ち着いているといえる。カーナビは誤認識はなかった。さすがだ。
■検証④ そのほかの機能について
主に音楽再生機能だが、この点はAオートやカープレイがカーナビを上回った。USBケーブル1本で接続でき、複数スマホの切り替えも楽だった。カープレイのほうが対応音楽アプリが多いため、高い点数を付けた。スマホを2台接続し、1台をAオート、もう1台で音楽再生という使い方も可能で、複数人でドライブする際などに便利だろう。ブルートゥース接続よりかなり使い勝手がいい。
そのほかに、受け取ったメッセージの読み上げ機能やオーディオブックの再生なども可能だ。今後も対応アプリが増えるだろう。LINEの対応が待たれる。
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