新型エクストレイル売れてます!! でも何か…遠いものになった気が…初代からの成長譚

先進性と高級感は、初代と比較にならないほど進化した新型

 一方、今回の新型エクストレイルは、ゆとりと豪華さを感じられる上質なデザインに、日産の電動化技術と4WD制御技術、充実した先進安全運転支援システムなど、日産のもつ最先端技術が満載されている。

 高出力モーターを搭載した第2世代の「e-POWER」は力強くてなめらかな加速を楽しめる。発電用エンジンは、日産が世界で初めて量産化に成功した可変圧縮比エンジン「VCターボ」だ。このエンジンの採用によってあらゆる速度域で回転数を抑えられるとともに、高剛性ボディと徹底した遮音構造で圧倒的に静かな走りを楽しめる。

 4WD制御技術「e-4ORCE」は、前後2基の高出力モーター、左右のブレーキを統合制御することで、4輪の駆動力を最適化し、ラフロードや滑りやすい道での走破性を高めるとともに、日常使いでの扱いやすさや楽しい走り、快適な乗り心地を実現してくれる。

 エクステリアデザインは、上段にポジションランプとターンランプ、下段にメインランプを配置した2階建て構造を採用し、個性と存在感、SUVならではの力強さを主張。インテリアでは、コンソール部分を宙に浮かせたブリッジ構造のセンターコンソール、高級感のあるトリム素材、先進的な12.3インチのアドバンスドライブアシストディスプレイ、同じく12.3インチのセンターディスプレイ、10.8インチの大型ヘッドアップディスプレイなどが装備され、先進性と高級感では、歴代モデルとは比較にならない仕上がりぶりだ。

ひとことでいうならば「大人になった」

 日産によると、新型エクストレイルは、「初代モデルからのDNAである「タフギア」を継承しつつ、新たに「上質さ」を加え、全く新しいSUVへと生まれ変わった」という。あくまでもタフギア感は残しているとしているが、外観からは歴代モデルのタフギア感はあまり感じられない。

 たしかにDピラーに隠された「X」のモチーフや防水シートの設定、ディーラーオプションで防水仕様のラゲッジトレイが用意されているあたりに「タフギア」の片鱗は感じられるが、ラゲッジスペースの写真には汚れたマウンテンバイクではなくゴルフバッグが積載されているし、時代が違うとはいえ価格も319万8,800円〜と、落ち着いたファミリー世代にターゲットが移っているように思える。まるで、エクストレイルもユーザーとともに歳を重ねて、大人になったかのようだ。

 もちろん、憧れの的になるようなプレステージ性をもっているかというとそこまではなく、先進技術でカーライフをより豊かにするモデル、と表現するにとどまる。「フラッグシップSUV」とよぶには、まだ足りない部分の多いエクストレイルだが、高級SUVとしてはふさわしい実力を兼ね備えているといえるだろう。

◆      ◆     ◆

 仮にフラッグシップSUVを目指すならば、パワートレインをプラグインハイブリッドへと置き換え、21インチタイヤを装着した「ラグジュアリースポーツ」を追求した最上級グレードを期待したいところ。「e-POWER+VCターボ」という日産の新兵器を搭載した新型エクストレイルは、日産の電動化戦略においても重要な役割を担っている。ミドルクラスSUVという激戦区で戦う新型エクストレイル。今後の活躍が楽しみだ。

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