初日をクラス3位で終えた2024年チャンピオンの新井大輝は、逆転勝利向けて闘志がみなぎっていた。ところがSS7走行開始早々にマシントラブルが発生。なんとかマシンを修復するも、再び歯車が噛み合わなくなってしまう。
文・写真:新井大輝
【画像ギャラリー】厳しい時間が続くも新井大輝は諦めない!! 次戦は絶対結果残す!!(5枚)画像ギャラリーフロントデフがおかしい!! 急ピッチで修復作業開始
全日本ラリー最終日、初日はセットアップで右往左往してなかなか難しいラリー展開だったので今日は心機一転「よっしゃ行くぞ!」と思ったのも束の間。
SS7がスタート500mで何かが壊れてそのままスピン。「あれ?路面のグリップを見誤ったか?」と自問自答。そのまま狭い道でクルリと回った反動でバンパーが土手にカスって脱落してしまいました。
幸いエンジン側のダメージはありませんでしたが、オーナーへの財布へのダメージが蓄積される結果となってしまいました(泣)。
ぶつからずに間一髪だったと胸を撫で下ろして再度走り始めてすぐに気づくことができました。フロントの駆動がなく、前日に降った雨で路面グリップが低いことも相まってマシンが進みません。加えてステージがロングで登りメインということもあり壊滅的にマシンが前に進みませんでした。
「とりあえず何としてもフィニッシュだけはしないと!」と思い、進まないマシンに四苦八苦しながらも何とかお昼のサービスまで帰ってくることができました。
今までの経験から破損する可能性があるパーツは大方予想はしていて、このパターンの壊れ方から推測される部品は正直フロントデフしかありませんでした。去年のWRCで新品に替えているので壊れるにはあまりにも早すぎると違和感は少しありましたが、背に腹は変えられないのでやり切る事に!
30分のサービスで流石にフロントデフの交換は無理だよと周りのサービスからヒソヒソ聞こえてきましたが、やるからには絶対時間以内に間に合わせるぞというメンタルで矢作産業メンバーも一致団結して10秒前に何とかギリギリ間に合わせました。最悪ペナルティ覚悟でしたが時間ぴったりに作業が完了したのは少し嬉しかったです。
懸命に修復もマシンは力尽きて悔しいリタイア
しかしサービスを出て数メートルでまたも同じ違和感。試してみるとやはりフロントが駆動していない。今までの努力が水泡にきした感じがして若干の絶望感に苛まれましたが、リザルトはどうであれ最終ステージまでは走り切ろうと気持ちを奮い立たせていましたが残念ながらSS中で力尽きてしまい、マシンはストップ。
この1カ月半に及ぶ努力は報われることがありませんでしたが、何か超えなければいけない大きな壁があるのだと思ってチーム一丸となって頑張ってみます。
次の飛鳥までにすぐに壊れている部品は発注しないといけないので、みんな和気藹々と楽しんでいる表彰式を横目にシュコダ丸を自走でサービスに帰ってきてすぐに分解及び故障探究を開始しました(めちゃくちゃ悔しいです)。
おおよそ壊れている箇所は特定することができたので、ミッション内部のフロントへ駆動を伝達するシャフトを入れ替えて万全の体勢で臨みたいと思います。
去年とは打って変わり、なぜこんなにも苦戦しているのかと考えを巡らせてみたらマイレージ管理しなくても良いと言われているパーツが壊れ始めていることなのかもしれません。
古いマシンを運用するのは簡単ではありませんが、手が掛かりすぎて愛着が湧くというメリットもあるのであながちデメリットばかりでは無いかもしれませんよ(笑)。
次戦から懲りずに応援よろしくお願いします!
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