今シーズンも開幕したスーパーGT。雨天に見舞われた岡山はGT500に大きなクラッシュが発生する混乱のレースとなった。そのなかでもGT300クラス56号車のリアライズ日産メカニックチャレンジGT-Rがとんでもない走りをみせた。振り向けば56号車、いったいどうなってんの?
文:ベストカーWeb編集部/写真:SPJ-JS、編集部
【画像ギャラリー】いぶし銀って言葉がピッタリ?? オリベイラ&平手コンビに敵はないかも!!!?(9枚)画像ギャラリー予選はきっちりと走るも10位に
ベストカーが特集する56号車日産メカニックチャレンジGT-R。今季は引き続きJ.P.デ・オリベイラ選手、そして久々のKONDOレーシング復帰の平手晃平選手のタッグが56号車を駆る。
言わずもがなふたりとも日産でGT500を戦ったトップドライバーであり、アグレッシブなオリベイラ選手と冷静沈着な平手選手のペアの走りは好成績を期待させるものだった。
予選はQ2に進出して激走をするも9位という結果になった。岡山との相性が悪くない56号車としては「もう少し上」を狙えた位置かと思うが、予選後のドライバーふたりの表情は暗くなかった。なにかしらのストラテジーがあったのだろう。
トップドライバーだったふたりだけに息はバッチリで、前日も一緒に夕食を囲ってコミュニケーションを深めたようだ。
気がついたらなぜ3位にいるのよ
10番グリッドからスタートした56号車。大雨のためにセーフティカースタートとなった決勝はスタート直後から荒れた。セーフティカーが解除になって実質的なレース周回1周目にGT500の大クラッシュ。
赤旗中断などを挟み、レース展開がまったく見えない状況に。天気予報では雨は14時頃には収束するという見込みだったが、近年の岡山はこれまた天気が読めない。予想よりも雨足は強くなり、なかなか雨がやまない。
56号車も当初はドライを待ってそこから猛プッシュというストラテジーをとる予定だった。しかし雨が長引いいたことでウェットタイヤ→ウェットタイヤというタイヤ交換を実施。しかし路面状況が改善し始めたことでライバルとのギャップが10秒ほどにあいてきた。
そして最後にドライタイヤを投入してコースイン。そこでGT500マシンがコースアウト。当初はFCYだったが、発火したこともありマシンの回収でなんとセーフティカーが導入。こうなればもう「オリベイラ劇場」のスタート。完璧にスイッチが入ったオリベイラ選手がなんと3位にジャンプアップ。毎度ながらすごい。
プロの仕事って目立たないことだよね
今回のレースについてはもちろんドライバーのスキルもかなりのものだが、レースはひとりで完結できるものではない。メカニックがいて、エンジニアがいて、そしてマネジメントをする監督がいる。
ひとつの要素の歯車が狂えばその歪みは徐々に広がっていく。ましてや周回を重ねていくレースだから、ほんの少しのミスや妥協が大きな結果の差になっていく。
日産メカニックチャレンジでサーキットでレースをサポートした日産自動車大学校の学生、そして日産ディーラーのメカニックにとってその躍進は「あれよあれよ」の展開だっただろう。
ただプロフェッショナルというのはそんなに派手なものだけじゃない。しれっと結果を出すこともプロの仕事だが、実はその裏には緻密かつ大胆に組み合わされた技術や思考が存在する。
簡単そうに見えること。実はそれがプロの誇りでもあるのではないだろうか?
【画像ギャラリー】いぶし銀って言葉がピッタリ?? オリベイラ&平手コンビに敵はないかも!!!?(9枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方