ランクル300も脱帽だぜ!! 「悪路の守護神」ランクル70の凄さと国内復活への道とは

■当時の魅力を維持したまま復刻されたランクル70

1984年登場の70系トヨタ ランドクルーザー。日本での販売は2004年まで続けられた超長寿モデルだった
1984年登場の70系トヨタ ランドクルーザー。日本での販売は2004年まで続けられた超長寿モデルだった

 クルマは新型モデルが登場すれば旧モデルが廃れていく。機能や性能は常にブラッシュアップされていき、古いものは不便で必要が無いと切り捨てられることも多いだろう。産業の成長という面では正しいことだが、変わらない価値を変わらずに提供し続けるというスタンスも大切にしたい。

 ランクル70は、変わらないことを武器にして、支持を集め続けるクルマだ。自らの需要の先には何があるのか、それを常に考え、感じながら小改良を重ね生産を続けてきた。

 1984年に登場したランクル70は、2004年まで日本での販売を続けられた。その後も、オセアニア地域などへ向けた生産は続いていたが、日本では一度姿を消すこととなる。

 その後、2014年8月に、1年間限定で30周年記念の復活モデルが販売されたのは記憶に新しい。用意されたのはバンとピックアップの2種類だった。

 この時、搭載されたエンジンは4リッターV6のガソリンエンジンだ。70と言えばディーゼルだったが、様々な要件に対応するため、ガソリンという選択をした。それでもトランスファーレバーによるパートタイム4WD、トランスミッションは5速MTのみというランクル70らしさは十分に残している。

 ランクル70が復刻されると聞いたとき、復刻前のランクル70を販売してきた営業マンたちは歓喜の声をあげた。対して、筆者のようにランクル70の現役当時の販売を知らない世代には、「こんなに古いクルマが本当に売れるのか」と疑問しか浮かばなかったはずだ。

 しかし、フタを開ければ販売は好調、購入していく人たちの思い入れの強さも格別だった。復刻モデルを購入していくユーザーからは、「変わらないカッコよさ」「ランクルとはこうあるべき」など、古い・時代遅れなどとは言わせないという、強い気持ちが伝わってくる。

 筆者が知る、ある企業の社長は、ディーゼルのランクル70を現在も自分の移動車として使用しているのだ。もちろんハンドルは自分で握る。高級セダンやクーペなど、似合いのクルマは数多くあるのだが、頑なにランクル70を手放すことは無い。

 思いが宿るモノというのは数多くあるが、クルマもその一つに挙げられるだろう。その中で、30年以上もほとんど形が変わらずに、新品が作られているモノは数少ない。

 ランクル70には、変わらないカタチや価値の上に、変わらぬユーザーの思いが重なっているのではないだろうか。

■究極のタフネスは若返り不要で日本でも愛され続けるはずだ!!

2021年にはランクル70にランクル70周年記念車がオーストラリアでラインナップされた。諸外国では現行モデルだ
2021年にはランクル70にランクル70周年記念車がオーストラリアでラインナップされた。諸外国では現行モデルだ

 現役当時のランクル70を支えてきた世代は、既に50歳を超えている。クルマに対する熱意は高いが、物理的にクルマに乗れなくなっているという世代が増えてきた。需要の先細りを懸念し、若返りを図る車種も増えてきている。そもそもガソリン車に乗れる時期も、この先長くは続かないだろう。

 それでもランクル70の火は消えることないだろう。国外ではもちろんだが、日本国内でも70を支持する若年層は増えているのだ。

 2014年の復刻時、バンはもちろんだが、ピックアップトラックに興味を示す20代・30代のユーザーが多かった。販売している側としては特異な状況だと思っていたが、この世代にとって、ランクル70のように変わらないクルマは、一周まわって新しいのだという。

 クラウンなどのように、必死に若返りを図る必要がランクル70には無い。今のままで十分に若い世代に思いが届く、ランクル70とは、そういうクルマなのだ(※編註 ランクル70の復活についてはスクープ情報が出ては消えてといった状態。認証の問題はクリアできそうだが、もし再販となっても発売時期限定などでの発売になるとみられる)。

【画像ギャラリー】再度復活の可能性は!? 高級SUVからは一線を画したヘビーデューティー!! ランドクルーザー70(14枚)画像ギャラリー

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