走りも内装も質感高い新型エクストレイル、弱点は高速燃費
VCターボe-POWERと最新のCMF C/Dプラットフォーム、4輪駆動制御のe-4ORCEなど、日産がいま持てる技術をフル活用して、満を持しての日本市場登場となった、日産新型「エクストレイル」。最大の長所は「走りの質感の高さ」だ。
荒れた道でもe-4ORCEの力でグイグイ曲がり、ロードノイズや風切音はワンランク以上静かで、動性能にも上質感が与えられた、という印象を受ける。また、インテリアの質感も非常に高く、12.3インチの液晶メーターと、同じく12.3インチのナビゲーションモニター、そして、10.8インチの大型ヘッドアップディスプレイは、RAV4などと比べてサイズが大きく見やすい。センターコンソール周りやダッシュボード周りなども作りこみの良さを感じ、価格帯が上である新型クラウンクロスオーバーの上をいくレベルだ。
ただ、新型エクストレイルは燃費がそれほどよくもなく、WLTCモード燃費で18.4km/L(e-4ORCE)。このまま実現すれば決して悪い数字ではないのだが、e-POWER車は、エアコン使用や走行シーンによっては0.7~0.8掛けの13~14km/L程度となりがちだ。燃費を伸ばしやすい高速走行は、飛ばすほどに悪化する傾向が強い。そのため、トヨタのTHS-IIやディーゼルエンジンのように、カタログ燃費を超えるような高速燃費は難しい印象だ。市街地やワインディングを50~60km/Lで淡々と走るようなシーンであれば、e-POWERは大得意なのだが、高速走行での燃費の弱さは、e-POWER車である新型エクストレイルの弱点といえる。
いまわかっている情報では、CX-60や新型エクストレイルのほうが魅力的か
これら3台と新型クラウンクロスオーバーを比較すると、新型クラウンクロスオーバーは、エクステリアが斬新なのは魅力だが、試乗した「Gアドバンスレザーパッケージ」をみるかぎりは、それ以上の推しポイントが見つからないのが正直なところ。特にCX-60や新型エクストレイルは、新型クラウンクロスオーバーよりも価格帯は低いにもかかわらず、縦置き直6エンジンやVCターボ+e-POWERなど、個性が光るポイントを備え、走りの質感も十分に高く、インテリアの高級感も申し分ない。比較してしまえば、こちらに軍配が上がってしまうことになる。
ただ、新型クラウンに関しては、まだわかっていないことが多く、クロスオーバーも最上級グレードである「RS」も(前述したように、基本的にはGアドバンスレザーパッケージと変わらないと思われるが)見てみないことには、何とも言えないところもある。新型クラウンの全貌を早くみたいところだ。
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