便利? 余計なお世話?? 法的に問題も??? ワンタッチウインカーは本当に必要な装備か

途中でキャンセルできないため、点滅回数を増やすことができない

 トヨタはこれまで、ワンタッチウインカーの採用に慎重な姿勢をみせていましたが、ヤリスで初めて採用しました。ただヤリスでは、点滅回数が5回と、標準的な3回よりも多く、真意は定かではありませんが、おそらく法令違反を回避するために増やしたものだと考えられます。

 確かに5回(5秒程度)点滅にすれば3回(3秒程度)よりも安全性は高まります。しかし、それでも進路変更前3秒前に点滅させると、実際の進路変更に使える時間は2秒程度しかありません。後続車に迷惑をかけずに安全に進路変更し、法令も順守するなら、7~8回程度が必要だと思われますが、なぜ、もっと点滅回数を増やさないのでしょうか。

 それは、ワンタッチウインカーには、キャンセル機能がないからです。通常のウインカーでは、手動で戻せばキャンセルできますが、ワンタッチウインカーは一度作動させてしまうと、設定された時間内は点滅を続けるため、車線変更しようとワンタッチウインカーを作動させてしまったけど、ちょっとタイミングが悪くなってしまったので車線変更をやめた、という状況になっても、ワンタッチウインカーはキャンセルができないため、点滅をしつづけます。これがもし、7~8回続くとなると、後続車を混乱させてしまうことになってしまいます。

 点滅回数を増やすためには、新たにキャンセル機能を追加しなければなりませんが、ワンタッチウインカーにキャンセル機能を付けてしまうと本末転倒となり、通常のウインカーと何ら変わらないことになってしまいます。メーカーは、利便性や安全性、コストなど総合的に判断して、3~5回の点滅回数が適切であると判断していると思われます。

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 ワンタッチウインカーについては、ストレスなく進行変更ができる便利な装備という肯定派と、法的にも違反している可能性があり危険だから止めるべきという否定派が混在する、まさに賛否両論の状態です。法令遵守と安全性の観点からは、必要ないのでは、と思われますが、メーカーの動きを見る限り、賛否両論や法的な矛盾も抱えながら、今後も確実に普及していくことが予想されます。

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